杜撰な震災復旧対策か(有)マルア阿部商店/自己破産へ
水産加工業者で震災被災者の(有)マルア阿部商店(宮城県石巻市浜松町3-12、代表:阿部裕一郎)は9月26日、申請処理を浅野孝雄弁護士(電話022-266-8464)ほかに一任して、自己破産申請の準備に入っている。
負債額は約2億円。
同社は、昭和5年創業のオキアミ煮干、コウナゴ煮干、イワシ煮干等製造の老舗の水産加工業者。
同社は、東日本大震災では工場を流出させ、壊滅的打撃を受けた。その後中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業の認定を受け、補助金により再起を図るべく、工場建設に着手した。しかし、工場の完成を目前にして、運転資金不足や加工用水産物の確保が難しいことが判明して事業再開を断念した。
復興補助金の担当官庁は、事業計画の可能性を事業者任せにした補助金垂れ流しとなった。箱(建物)があっても、中身(人・運転資金)、材料(加工用魚類)がなければ、水産加工は行えない。水産加工できる魚種などを調べ、水産加工団地を造って水産加工業者にまとめて入居してもらうようにしなければ、こうした事態に陥ることになる。
当然、事業者は工場さえあればどうにかなると思うのが当然だ。そこに漁業組合や官庁・銀行などによるバックアップ体制が取れるかどうかも審査対象に、水産組合や官庁・銀行が審査チームを結成して採算性なども審査する必要がある。そうしなければ、こうした事件はこれから何ぼでも生じる。また、経営者も更に苦しませることになる。
[ 2012年10月18日 ]
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