負債額は約２２７億円。
「愛知県農業開発公社」と「愛知県林業公社」が統合し２０００年に設立された同法人は、農地の再配分などを行う農地保有合理化事業や分収造林事業を主力とするほか、測量・設計・調査事業や植木センターの管理業務などを手掛けていた。
しかし、農地保有合理化事業および分収造林事業において、農地や木材の価格下落で大幅な債務超過に転落するなど現状での事業継続が困難な状況となっていることから、自力での再建を断念し今回の措置に至った。
当民事再生は、法人消滅型の民事再生申請であり、再生計画の実行を経て２０１５年度末をめどに公社は解散される予定。

＜社団法人愛知県農林公社＞リリース分
社団法人愛知県農林公社の民事再生の申立てについて
社団法人愛知県農林公社（理事長 後藤政則）は、本日（２月２１日）、名古屋地方
裁判所に民事再生の手続開始に関する申立てを行いました。負債総額は約２２７億円、
債権者総数は２１名であります。
当公社においては、平成１２年度の社団法人愛知県林業公社と財団法人愛知県農業
開発公社の統合以来、団体運営の効率化を図ってまいりました。
特に、平成１７年度からは、経営改善計画を策定して、更なる健全経営に努めると
ともに、平成２２年度から平成２４年度までの３年間については、集中経営改善プラ
ンを策定して、経営改革に取り組んでまいりました。
しかしながら、当公社の農地保有合理化事業や分収造林事業は、事業開始時には予
測し得なかった農地価格や木材価格の下落により、実質的に大幅な債務超過状態に陥
っており、必要な資金を借り入れて事業を実施する仕組みの中で、このまま事業を継
続した場合、より一層の窮状に陥ることが明らかとなりました。
こうした中、当公社としては、経営の抜本的な改革には、法的手段によらざるを得
ないと判断し、本日、民事再生の申立てを行ったものであります。

このような事態に至り、県民の皆様並びに債権者を始めとする関係者の皆様に、多
大のご迷惑とご心配をおかけいたしますことに、心からお詫び申し上げます。
民事再生の申立ての概要は、別添のとおりでありますが、今後は、債権者を始めと
する関係者の了承を得て、再生計画の策定に取り組んでまいりますので、何卒ご理解
とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
【今後のスケジュール】
平成２５年３月 再生手続の開始決定
５月 再生計画案の提出
８月 再生計画の認可決定確定
再生計画の実行（平成２７年度末 公社解散予定）

○申立人の概要
1 主な事業
（1） 農地保有合理化事業
（2） 分収造林及び分収育林に関する事業
（3） 治山事業及び林道事業に関する測量，設計等の事業
（4） 愛知県植木センターの管理運営に関する事業

２ 主な事業の現況
（ア） 農地保有合理化事業
農地取得売渡実績（平成２４年度末予定）
区 分 面 積(ha)
取得（昭和４６年度から平成１７年度まで） 479.1 ha
売渡（昭和４６年度から平成２３年度まで） 472.9 ha
売渡（平成２４年度予定） 2.3 ha
売渡合計 475.2 ha
保有農地 4.0 ha
＊四捨五入のため、差引きが合わないところがある。

（イ）分収造林事業
平成２４年３月末日現在，分収造林契約件数は１,９４８件
契約者数は１,８５７名（実人数）（延人数は２,８１０名）
面積は４７６７ヘクタール
契約期間 面積（ha） 比率（％）
５０年 1,032ha、22％
７０年 737ha、15％
８０～１００年 2,998ha、63％
合計 4,767ha、100％
（平成２４年３月末現在）
３ 資産と負債
○平成25 年1 月末時点の資産と負債
資産総額：539,941,993円
負債総額：22,725,323,657円
正味財産：▲22,185,381,664円（債務超過額）

○上記「負債総額」の内訳
借入金　　　　　　：22,473,133,911円
一般債権者未払金等：86,314,188円
退職給付引当金　　：165,875,558円
合　計　　　　　：22,725,323,657円