細胞 核内で遺伝情報を管理するたんぱく質などの研究で世界的に知られ東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らのグループによる論文不正問題で、同大の 科学研究行動規範委員会は26日、51本の論文で不適切な画像210ヶ所見つかり、うち43本に不正を認める中間報告を発表した。

 研究倫理に対する関係者の意識の低さと、実験データの管理の甘さなどが、不正の背景にあると分析。

浜田純一学長は「誠に遺憾。学術への社会的信頼を大きく損なう問題だ」とのコメントを発表した。今後、不正に関与した研究者を特定するなど調査を進め、最終報告をまとめる。

 東大は、加藤元教授のグループが1996〜2012年に発表した論文165本を調査した。うち43本で、画像の張り合わせや消去などの不正を認め、「撤回が妥当」と判断。8本が単純ミスで、「訂正が可能」とした。