韓国大法院は27日、横領罪で懲役4年の実刑判決が出ていた韓国の財閥3位、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長に対して、原審を指示する判断を示し、実刑判決が確定した。
この裁判は、崔会長が2008年、系列会社から別の投資会社に約500億ウォン(約47億円/0.095円)あまりを送金し、さらに別の会社に送金して不正流用したとして、横領罪に問われ、一審、二審ともに懲役4年の実刑判決を言い渡されていた。
裁判では、崔会長側は、系列会社から別の投資会社に送金する過程での関与はなかったと主張したが、大法院は、一審と二審の判断を支持し、崔会長が横領を共謀して加担したと認定し、懲役4年の実刑が確定したもの。

韓国では、財閥グループの会長などの幹部が、経済犯罪で有罪判決を言い渡されても、執行猶予で釈放されるケースが多く、今回のように実刑判決が確定したのはこれが初めて。
SKグループとは、JXエネルギー、帝人などが合弁事業を行っている。
石油化学からIT分野、半導体のHynix、建設事業など、中国をはじめ世界でも大型プロジェクトを推進している。
韓国の財閥は、戦後に生まれた財閥がほとんどで、1代目、2代目が多く私的企業の域を出ておらず、サムスンのように相続を争う兄弟喧嘩やこうした企業の私物化の動きが絶えない。