樹脂フィルムスリッター加工業の吉田スリッター(個人会社、愛知県北名古屋市高田寺屋敷370、代表:吉田辰美)は3月25日、名古屋地方裁判所において、破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には、佐藤成俊弁護士(電話052-712-3350)が選任されている。
負債額は約30億円(詐欺被害額含む)。

同社は昭和49年1月創業の食品用・生活関連用の樹脂フィルムスリッター加工業者。
2012年12月期には約10億円の売上高を計上していた。
同社は、昨年11月28日事業停止、自己破産申請の準備に入っていた。
しかし、実態は次の報道のとおり、巨額詐欺を働いていた。金の行方はどこへ消えたか・・・。

2014年1月29日報道
大阪市の商社「大倉ケミテック」が、愛知県の包装材加工業者「吉田スリッター」の架空取引による手形詐欺被害を訴えている問題で、吉田の仕入れ業者の担当者を装った長野県安曇野市の男(46)が、この仕入業者(大倉ケミテック)から商品を盗もうとしたとして、長野県警に窃盗未遂容疑で逮捕されていたことが1月29日、県警などへの取材で分かった。
安曇野の男は、仕入業者と装った長野県の原材料会社の元社員。
長野県警は、大倉ケミテックから、吉田スリッターと安曇野の男による架空取引の仲介で約12億円分の手形をだまし取られたと相談を受け、関係者の事情を聴いていた。今後、関係地の警察とも連絡を取るなどして取引の実態を調べる。
 安曇野の男の逮捕容疑は、今月25日午後、会社員(40)=同容疑で現行犯逮捕=と共謀し、原材料会社の工場から樹脂製品を盗み出そうしたとしている。
 大倉ケミテック関係者によると、大倉ケミテックは吉田スリッターに仕入れの仲介を依頼され、昨年4月以降、吉田スリッターから代金の支払いを受け、手数料を引いた額の手形を、原材料会社の担当者を装った安曇野の男に渡していた。
 しかし、安曇野の男は当時、原材料会社を解雇されており、手形は吉田スリッターに横流し。昨年11月の吉田スリッターの実質破綻後には「取引は架空。吉田スリッター主導で手形をだまし取った」と告白した。吉田スリッターは手形を換金していた。

大倉ケミテック(株)
経営破綻:2014年1月6日、民事再生申請
負債額:約38億円  
所在地:大阪市西区江戸堀3-1-31  
業種 :樹脂フィルム等化学製品卸  
設立 :昭和23年9月
従業員:15名  
代表者:高橋正弘  
資本金:3,800万円  
年商 :113億円(平成25年7月期)