衣料品卸業の(株)ジェイエース(東京都中央区日本橋茅場町1-11-9、代表:塚本篤)は7月23日、東京地方裁判所において、破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には、中込一洋弁護士(電話03-6206-4700)が選任されている。

負債額は約12億円。

2010年11月26日のJC-NET記事
㈱ジェイエース(茅場町)を佐藤商事(東証一部)が訴える

佐藤商事は違法な架空取引によって7億10百万円の損害を被ったとして、㈱ジェイエース(東京都中央区日本橋茅場町一丁目)に対して、上記損害金につき、損害賠償請求訴訟を起こした。
当取引は、大手通販会社の販売商品をJ社が受け、J社から佐藤商事が受け、佐藤商事からJ社の中国子会社に発注、中国メーカーが製造し、通販用の製品は、逆コースで伝票も流れていた。J社から入金があって始めて佐藤商事は信用状(=代金支払)をJ社の中国子会社向けに発行していたが、未回収金分では、J社から入金がないまま、J社の中国子会社向けに信用状を発行して今回の未回収事件になったとしている。佐藤商事の調査の結果、物も動いていなかったとされる。
佐藤商事では、荷動きが確認できない実態のない取引は、ジェイエースの画策・主導により行われたものと確信しているとしている。

 元々鉄鋼商社である同社であるが、金物雑貨や圧力鍋まで扱っており、何でも屋になっていることから、そうした取引に巻き込まれたものであろう。当然佐藤商事側にもジェイエース担当者がいたと思われ、これまでの取引で事前にあった入金がないのに7億円某という大きな額の信用状を先に発行したことからこうした事件に至っており、同社の内部牽制制度が機能していないことを意味している。