コンビニ大手で三菱商事系のローソンは、国内のコンビニエンスストアの店舗数が飽和状態と指摘されるなか、生鮮食料品などを扱うスーパー事業に本格的に参入するため、首都圏や関西などに店舗を持つ成城石井を買収する方針を固めた。
ロー ソンは、成城石井の全株式をその親会社の投資ファンド『丸の内キャピタル』から買い取る方針を固めた。買収額は約550億円と見られている。(2011年 5月31日、成城石井の親会社であるレックス・ホールディングスが、三菱商事系のファンド会社『丸の内キャピタル』に成城石井を約400億円で売却してい た。

成城石井は、ワインやチーズなどの輸入品や原料にこだわった総菜など比較的価格が高い商品を扱う高級食品スーパーで、首都圏をはじめ関西や東海に119店舗展開している。
一方、ローソンは生鮮食料品などを扱う小型スーパー事業に今年から乗り出したが、店舗数はまだ少なく、成城石井の買収によってスーパー事業に本格的に参入することになる。

国内で5万店を超えるコンビニは、店舗数が飽和状態と指摘され、ローソンも全国に約1万2000店を出店しているが、今年4月以降、業績の伸びが鈍くなっている。
このため、スーパー事業に新しい収入源を求めたうえで、スーパーとコンビニで食品の仕入れや運送などを共同で行うことで調達コストを引き下げ、収益力を高めたいとしている。

8月の3大コンビニの全店売上高状況
<セブンイレブン>4.7%増、6月末店舗数1万6,664店舗、7月は6.0%増
<ファミマ>9.2%増、8月末店舗数は1万216店舗、7月は9.2%増
<ローソン>0.4%増、8月末舗数は1万1,987店、7月は▲0.7%減

ローソンを首になった新浪氏が、当時、何をやろうとしたのか、いろいろ手を出しすぎ、コンビニに特化したセブンに名実ともに離されるばかりとなっていた。三菱は当然、コンビニだけにとらわれない総合利益を念頭にローソンの企業作りを目指すものと見られる。

ローソンは、元はダイエーの中内さんがイトーヨーカ堂のセブンイレブンに対抗して、立ち上げたコンビニ、そのダイエーも一時代を終え名前もなくなるという。奢れるもの久しからず。

<株式会社 成城石井概要>
神奈川県横浜市西区北幸二丁目9番30号
創業:1927年2月
代表:原昭彦
資本金:52億5005万円
売上高:517億円(2012年12月期)
従業員数:820名+パート・アルバイト2,609名
店舗数:126店舗(関東と関西)