住友商事は29日、海外で投資した資源分野の事業が相次ぎ不振に陥り、約2400億円の損失がf発生、当期利益が100億円に減ずると発表した。
米国のタイトオイル開発プロジェクト(シェールガス開発など石油開発事業で失敗したことが主因。ほかに豪州の石炭事業の価格低迷による減損損失、ブラジルの鉄鉱石事業および米国のタイヤ事業における減損の可能性など見込む。
この結果、2015年3月期の純利益は当初の2,500億円予想から一転100億円に減少する見込みとなった。
減 損を出すことになった最大の理由は、12年に参画した米テキサス州でのシェールガスに代表される石油開発事業。当初13億ドル(当時のレートで約1040 億円)の投資だったが、掘削する地層が複雑で想定以上にコストがふくらみ、この2年で19億ドル(今のレートで2070億円)にまで達し、採算が合わなく なったという。今回、このうち約1700億円を減損処理し、鉱区の大半を売却することにした。

同社は、これまでの資源中心のシフトを再考するとしている。
2015年3月期通期今回予想修正
売上高8兆6千億円(前回予想変わらず、前期実績8兆1460億円)
税前利益620億円(前回予想3320億円、前期実績3042億円)
当期利益100億円(前回予想3320億円、前期実績2230億円)

シェールガス開発は、現地ガス会社にカモにされた可能性はないのだろうか。同社は米テキサス州のバーネットシェールとペンシルバニア州のマーセラスシェールの開発に従事しているが、マーセラスシェール鉱区は大丈夫なのだろうか?

そもそもシェールガスは、開発が急激に増加して値下がり、採算分岐点を大きく割り込んでいるという。同社の場合はその上、開発費が膨れ上がり、採算ベースどころではなかろう。シェールガスは海外への輸出も検討されているが、アラブ産油国を刺激しない程度にしか進めない見通しだ。裏を返せば、米の石油メジャーがアラブでLNGを産出しており、米国企業同士で共食いにもなる。アラブには絶対君主の王様が控えており、大統領ごときものではない神の領域の人々、米政府は怒らせることはしない。