欧州製薬最大手のノバルティス(スイス)が28日発表した2014年7~9月期決算 は、純利益が前年同期比44%増の32億2300万ドル(約3480億円)だった。最近5年で発売された利益率の高い新薬が2割増収となり、全体の3分の 1を占めるまでに成長。調達部門などの経費削減の効果も出た。
売上高は4%増の147億400万ドルだった。

地域別では日米欧などの増収率が2%増にとどまったが、中国、ブラジル、ロシアの売上高は2割前後伸びた。
多発性硬化症や白血病の新薬が好調だった半面、同社の主力だった高血圧症治療薬で、日本で捏造データにより宣伝していた「ディオバン」は、特許期間切れにより日米欧で後発医薬品との競合が始まった影響で売上高は半減した。
ジョセフ・ジメネス最高経営責任者(CEO)は同日の会見で、「当社には新興市場の減速はみられず、新興市場全体で13%成長ができた」と説明しているという。