sponsored

TDKは26日、秋田県由利本荘、にかほ市の2ヶ所に約250億円をかけて新工場を建設すると発表した。
スマートフォンや自動車向けの電子部品の需要が世界的に伸びる中、円安や中国の人件費の高騰などを背景に、戦略的生産拠点を国内に構えることにした。
災害リスクの回避で生産体制を分散する企業もあり、秋田県内への進出計画が相次いでいる。
TDKによると、新工場は由利本荘市万願寺の本荘工場と、にかほ市象潟町の稲倉工場の敷地内に建設する。
本荘の新工場は鉄骨2階、延べ5万平方メートル。高周波部品や電子部品を開発、製造する。

稲倉の新工場は鉄骨一部2階、延べ1万5000平方メートルで、主に磁性材料のフェライトなどを生産する。
いずれも今年7月に着工の予定で、来年末の操業開始を目指している。
 
これに伴い、同社は両工場を「秋田地区の電子部品生産を集中的、効率的に行う戦略的な生産拠点」と位置づけ、高い技術力や開発力を備えたマザー工場に育てる考え。
製造ラインはロボットなどで自動化されるとみられ、当面、新規雇用の予定はないものの、マザー工場化に伴い、生産技術や製品の開発に必要な人材は採用していきたいとしている。

 新工場建設の背景には、アベノミクスで円安が定着し、国内生産の方が低コストになったことや、過去10年間で3倍以上に跳ね上がった中国の人件費増などが指摘されている。