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1、受注高は、9.9%増、うち官庁工事22.9%増、民間工事4.3%増
2、売上高(連結)合計は、5.8%増の15兆9,358億円。
3、売上総利益率(粗利率)は1.2ポイント上昇の10.2%。

上場建設会社の2014年度決算が出揃った。2014年12月に実施した前回調査(2014年度第2四半期業績)では、民間工事に減速感がありつつも、公共工事の増加は続き、売上総利益率は上昇した。
ゼネコン各社が着実に利益を確保していることが明らかになっている。資材価格の高騰、人手不足等のマイナス要因も存在するなか、ゼネコン各社がどこまで利益水準を高めることができたかが、今回の最大の焦点の一つ。

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帝国データバンクは、全国の主要上場建設会社の2014年度の決算短信から、連結ベースの売上高、売上総利益率、および単体ベースの受注高とその官民比率について調査・分析した。
調査対象は、主要な上場建設会社62社で、受注高については前年度との比較が可能な51社。
 ※前回調査は2014年12月24日、前々回調査は2014年6月24日。
 ※なお、(株)竹中工務店<未上場>は、売上規模を勘案し分析対象に加えている。

調査結果要旨
 1.主要な上場建設会社62社のうち、個別受注高の判明している51社の2014年度の受注高は、前年度比9.9%増の13兆8627億1300万円となった。

 2.受注高の内訳(官・民)が判明している36社では、官公庁工事の受注高が前年度比22.9%増の3兆4405億1600万円。官公庁受注高は27社で増加し、減少は9社にとどまった

民間工事の受注高は、同4.3%増の6兆5878億1200万円。民間受注高は増加が23社、減少は13社

 3.主要上場建設会社62社の売上高(連結)合計は、前年度比5.8%増の15兆9358億5200万円。増収企業数は38社、減収企業数は24社となった。

 4.売上総利益率(粗利率)の平均は10.2%となり、前期の9.0%に比べて1.2ポイントの大幅な上昇。売上総利益率は56社で上昇し、6社で低下した。

 5.売上規模別の分析では、建設業界全体に好況が波及するなか、売上規模が小さいほど売上総利益率の伸びが大きくなっていることがわかった

1.受注高動向 ~前年度比9.9%増、全体としてはピークアウト感
 主要上場建設会社62社のうち、個別受注高の判明している51社の2014年度の受注高は、前年度比9.9%増の13兆8627億1300万円となった。
 2014年6月24日に実施した前々回の調査(過年度との比較が可能な47社ベース)で、2013年度の受注高は前年度比19.1%増となっており、業界全体の伸びはややピークアウト感が出てきた。
 受注高の伸び率で第1位となったのは、シンガポール、香港など海外での大型案件が好調な「五洋建設」。準大手ゼネコンの一角を占める規模ながら、前年度比60.8%の大幅増となった。次いで、大阪府の中堅老舗、「錢高組」の同36.1%増、海洋土木に強みを持つ「東亜建設工業」の同34.4%増と続く。
 一方、減少率がもっとも大きかったのは愛知県の「名工建設」。前期に東海道新幹線の大規模改修工事を受注した反動減もあり、前年度比▲29.0%減となった。続いて、群馬県の中堅ゼネコン「佐田建設」が同▲13.8%減。民間建築工事の減少幅が大きかった。

2.受注動向<官・民内訳> ~官公庁は前年度比22.9%増、民間は同4.3%増
 工事受注高の内訳(官・民)が判明しているのは36社。
官公庁工事の受注高は、前年度比22.9%増の3兆4405億1600万円となった。増加企業数27社に対して、減少企業数は9社にとどまっている。
 ちなみに、2014年12月の前回調査(36社ベース)で、2014年度第2四半期の官公庁工事受注高は52.4%増と非常に高い伸びを示していた。
高い水準を維持しつつも、公共工事の減速感は否めない。

 官公庁受注高の伸び率は、「鉄建建設」が前年度比95.1%増でトップ。主力の鉄道のほか、道路などで公共工事増加の恩恵を受けた。次いで、準大手の「西松建設」の同77.5%増、「大本組」の同74.4%増と続く。いずれもインフラ関連が好調だった。

 民間工事の受注高は、前年度比4.3%増の6兆5878億1200万円。増加企業数23社に対し、減少企業数は13社となった。

 2014年12月の前回調査で、2014年度の民間工事受注高は▲21.4%減少していたが、通年では2008年リーマン・ショック以来の高い水準を維持した。

 民間工事受注高の増減率は、第1位が京都の「金下建設」の前年度比90.5%増。病院、商業ビル等の受注が伸びた。次いで「錢高組」の同37.6%増、「前田建設工業」の同36.1%増となっている。

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