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厚労省は、熊本市にある製薬会社「化血研」が、医薬品の原料で生物テロにも使われるおそれのあるボツリヌス毒素を運ぶ際に必要な届け出を怠っていたとして、21日にも会社に対し、立入検査を行う。
化血研では、国の承認とは異なる方法で血液製剤や動物用のワクチンを製造する問題が相次いで明らかになっていて、厚労省は近く業務改善命令を出す方針。

立入検査を受けることになったのは、熊本市に本社がある製薬会社化血研=化学及血清療法研究所。
厚労省によると、化血研は食中毒の治療薬など医薬品の原料に使われるボツリヌス毒素について、熊本県内の施設と施設の間を運ぶ際、法律で定められた届け出をしていなかったという。

ボツリヌス毒素は、生物テロに使用されるおそれがあるとして、0.1ミリグラム以上運ぶ際には県の公安委員会に届け出る必要があるが、会社の内部調査で平成19年以降の8年間で届け出を怠っていたケースが4件確認されたという。

立入検査では、ボツリヌス毒素の管理状況や運搬の記録などを調べるものとみられる。会社側は、搬送中の事故などはなかったとしている。
化血研では、国の承認とは異なる方法で、違法に血液製剤(厚労省管轄)や動物用のワクチン(農水省管轄)を製造する問題が相次いで明らかになっている。