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1117_07.jpgレンズの代わりに特殊なフィルムを使うことで、厚さが僅か0.5ミリのデジタルカメラを実現できる技術を日立製作所の光応用システム研究部が開発した。

開発されたカメラの技術は、レンズの代わりに木の年輪のような同心円状の模様を印刷した特殊なフィルムを使うのが特徴。

従来のデジタルカメラは、レンズを通った光が画像センサーに当たり像を結ぶ。これに対して今回の技術は、像は結ばずに光が同心円状の模様に当たって画像センサーの表面にできる影を撮影し、光の方向をコンピューターで解析することで、元の画像や動画を復元するというもの。

この原理を使えば、撮影のあとからでもピントを合わせる位置を自由に決めることができるという。

一般的なスマホ用カメラ部品は、厚さが5ミリ程度だが、今回開発した技術では、0.5ミリの薄さのカメラも可能になるとしている。

また、レンズを使わないことでコストを抑えることもできるとして、日立は、この技術を画像センサーとして多くのカメラを使う自動運転車やロボット、工場の生産設備など幅広い分野で、再来年にも実用化したいとしている。

同社は、どこにでも取り付けられ、ピントが調整できるため、社会の動きをモニターする基盤として役立てたいとしている。
フィルムの加工技術しだいでは、途方もない記録媒体技術になる。