グローバルIT専門市場調査機関のIHS Markit(IHSマークイット)が20日明らかにした。
2017年の世界テレビ市場における有機ELテレビの売上高は合計38億5700万ドル(約4140億円)だった。
これは全体テレビ売上851億8300万ドルの4.5%にとどまる。しか、2015年には市場シェア1.1%に過ぎなかった有機ELテレビ市場は、この2年で4倍と急成長を遂げている。
特に2017年は、SONYが有機ELテレビ市場の約3分の1を占める3000ドル以上のプレミアム製品のシェアで44%を占め1位となった。2016年のシェアは0%、ブランド力もあり1年で業界1位に躍り出た。
プレミアム市場のTVは1台当たりの売上高も大きく、利益率も良く、SONYの利益を押し上げる効果をもたらしている。
1500ドル以下の有機ELテレビ市場では、96.2%の圧倒的シェアで「独占体制」を維持しているLGは、プレミアム部門では30.9%のシェアにとどまっている。
LGが切り開いた有機ELテレビ市場、SONYが存在感を強めながら市場シェア拡大に乗り出している。
以上、
皮肉にもSONYの有機ELディスプレイはLG製。元々有機ELはSONYが量産化技術を確立、しかし、当時、全体事業の低迷、大きさや歩留まりに問題もあり撤退したが、そのノウハウは保持している。
有機EL-TV市場も、早期に中国勢が台頭してくることから、液晶TV市場のように早期に競争激化し、利益率を悪化させることになる。
有機EL-TVのプレミアム市場は、高価なことから販売しても売れる市場ではなく、ブランド力が必要、シェア確立は、利益面でも今後とも優位に立つことが可能となる。また、利益が出れば、開発予算も大きく取れ、結果、新製品の機能強化による製品力もより備わることになる。
SONYは、TV市場の最高級部門で世界ブランドとしての強みを発揮しているようだ。
SONYのTV売上高/百万円
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17/3Q3
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579,811
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18/3Q3
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700,403
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18Q3/17Q3
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20.7%
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17/3期
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720,557
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16/3期
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797,764
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17/3期/16/3期
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-9.7%
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TV含むHE&S部門の売上高と営業利益
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売上高
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営業利益
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同率
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17/3Q3
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824,221
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63,731
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7.7%
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18/3Q3
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987,647
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93,183
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9.4%
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