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サウジなどOPEC+αが増産を発表したものの、増産合意は懐疑的だとして原油価格は下がらないまま、米国の11月4日からのイラン経済制裁に向けた各国へ輸入停止要請をしてことを受け原油価格は急伸している。

26日の米国時間の取引で原油先物が2%強急伸し、米原油先物は2ヶ月ぶりに1ドル=70ドルを突破した。
米国が同盟各国に対し、11月からイラン産原油の輸入を停止するよう働き掛けているとの国務省高官の話などが材料視された。
米WTI原油先物が2.45ドル(3.6%)高の1バレル=70.53ドル、北海ブレント先物は1.58ドル(2.11%)高の同76.31ドルでそれぞれ取引を終えた。

イランの供給懸念が再燃したが、サウジアラビアが7月、過去最高の1100万バレルまで増産する計画と伝わったことも注目されている。
米国の原油掘削稼動リグ数は、6月に入り860本前後で推移し増加していない。

米トランプは、原油価格の高騰により、自動車販売などに影響し、所得税減税の効果が薄れるとして、サウジなどに増産を呼びかけ、一方でイラン核合意離脱・制裁を表明して原油価格の高騰を生じさせた。イランの原油輸出量は過去1年平均212万バレル(日量)、米のイラン核合意離脱後は240万バレルとなっている。米国から制裁を受ければ半分は減少するとされている。
サウジは100万バレル増産すると発表している。一方、ベネズエラは240万バレルの生産枠を持ちながら、生産施設の老朽化で140万バレル前後まで落ちているという。

サウジ主導のOPEC+αは増産で合意した。しかし、合意は懐疑的だと市場は反応し、高止まりが続くなか、米トランプ政権が各国にイラン産原油の輸入を停止し、イランを制裁するよう直接呼びかけ、再び上昇している。それも米国自身は6月に入り稼動リグ数を増加させていない。

WTI価格は時間外の日本時間27日16時27分現在も、前日比0.4%高の70.78ドル前後で推移している。

米国の策略、
米国は昨年原油生産量が過去最大の1080万バレル(日量)に達し、世界最大の原油生産国となっている。その原油は、急速に世界各国へ輸出され、さらに、対米貿易黒字減らしのため、各国が米原油の輸入を急拡大させている。

当然、高ければ、輸出量急拡大の米国は大儲かりする。トランプケアでトランプに反旗を翻したティパーティ派の共和党保守派のスポンサー・コーク兄弟は米国最大の石油精製施設を持っており、国内でのパイプライン敷設を認可し手懐け、今回の措置でトランプを大好きになっているものと見られる。

トランプは消費者向けの顔と共和党向けの顔を完全に使い分けている。このまま貿易戦争が高じれば、いずれ、米経済は損なわれる。トランプはいつものように中国などに責任転嫁しようが、自ら撒いた腐れ種の結果でしかない。
世界は米トランプとサルマン皇太子に踊らされているようだ。