sponsored

理化学研究所などのグループが、寝ているときに夢を見ないマウスを遺伝子操作でつくることに成功した。
人間にもある睡眠との関係が深い遺伝子を特定したことで、睡眠障害などの治療薬開発につながる可能性があるという。28日付の米科学誌セルリポーツで発表した。

睡眠には、体も脳も休んでいる「ノンレム睡眠」と、体は寝ているが脳は起きている「レム睡眠」の二つがある。
「レム睡眠」のときには夢を見たり、記憶が固定されたりすることが知られている。

理研生命機能科学研究センターの上田泰己チームリーダー(薬理学)らは、「Chrm1」と「Chrm3」という二つの遺伝子が、睡眠との関係が深いことを発見した。
片方を持たないマウスでは、1日の睡眠時間が通常より82~118分短かった。
「アセチルコリン」は、「レム睡眠」を誘導する分子として知られているが、本当に「レム睡眠」に不可欠なものであるかはこれまで不明だった。

今回、国際共同研究グループは、脳・神経系49部位のマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析、新しいマウス遺伝学ツールtTRの開発、トリプルCRISPR法などの個体レベルの遺伝学的手法を駆使することで、「アセチルコリン」の受容体遺伝子である「Chrm1」と「Chrm3」が睡眠量の制御に重要な働きをしていることを明らかにした。
脳波により、特に、その両方の遺伝子を同時に欠失させたマウスでは、「レム睡眠」がほとんど検出されないことを発見した。
「Chrm1」のないマウスは「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の両方が減り、「Chrm3」のないマウスは「ノンレム睡眠」だけが少なかった。
「レム睡眠」をしないマウスは、記憶力が通常より悪かったが、生きる上では支障はなかった。
二つの遺伝子は人間にもあるという。
上田氏は「睡眠障害の治療薬開発が進むと期待できる」としている。
以上、

いろいろな問題から睡眠障害の人は非常に多い。

原文は理研HP
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180829_1/