sponsored

現代自動車の現代史は、政治家のゆすりたかり・癒着と労働者の権利主張ストによる貴族労組化の歴史でもある。
現代自動車が年30万台の生産能力を備えた北京市の中国第1工場の稼働中断を決めた。
深刻な販売不振で稼働率が2年連続で50%を下回り、持ちこたえられなくなった。

原因は2つ、
一つは、北朝鮮の核実験・ミサイル実験に業を煮やした韓国政権が、米軍によるTHAAD(終末高度迎撃ミサイル)配備を決定(2016年8月決定、2017年4月配備、2017年9月追加配備)、これに対し、中国が猛批判して韓国に対して2017年3月に貿易制裁強化、中国で韓国製品の不買運動が生じ、韓国系自動車販売は激減した。

二つ目は、中国の自動車メーカーが、コスト競争力と技術の蓄積によって、現代自動者に匹敵する品質の製品を3割安で投入し、韓国系車のコストパフォーマンスが完全に消失してしまっていることに起因している。

2014年に中国市場で9.2%を占めた現代・起亜自動車のシェアは、2017年からの中国によるTHAAD配備制裁による不買も重なり、3年で半分にまで落ち込んだ。

現代自動車は、朴槿恵大統領と習近平国家主席が蜜月時代の2014年4月、河北省滄州市に中国第4工場と重慶市に第5工場を建設すると発表(それぞれ生産キャパ30万台)した。
しかし、完成したのはTHAAD制裁後、これまでの3工場で生産した分が大幅に販売不振に陥り、稼働率が大幅に悪化している最中での完成(2017年秋に滄州工場、2018年年初に重慶工場)だった。言う言葉も見つからない状態に陥っている。

中国での生産は、現代自動車は北京自動車と組み、起亜自動車は東風自動車と組んでおり、融通もほとんど効かない。

<売上高は半減>
現代自動車が3月7日、韓国金融監督院に提出した監査報告書によると、北京現代の昨年の売上高は11兆437億ウォン(約1兆878億円)だった。
2017年の12兆1491億ウォンに比べて▲9.1%の減少。
2016年の20兆1287億ウォン、2018年は半分ほどにとどまっている。

北京現代の昨年の売り上げは工場2ヶ所を運営していた2010年(10兆7452億ウォン)水準。
2016年1兆1719億ウォンに達した純利益も昨年1,232億ウォンに縮小した。
現代車は2002年の中国進出以降、売上高を伸ばしてきた。2013年から4年連続で100万台を超える車両を販売。だが、THAAD報復の余波で2017年以降、年販売台数が70万台水準に落ちて売上高が急減した。

ただ、2018年は販売台数が若干増加しており、インセンティブ販売を強化して販売台数を伸ばす方策が完全に裏目に出た売上高と見られる。
それでも2018年に利益が出たとする決算報告は、虚偽ではないだろうか。ギリギリ虚偽でなくても新設した第4・第5工場の減価償却を行なわなかった可能性が高い。

<スマホは>
韓国を代表する企業の屈辱は自動車だけにとどまらない。
2013年に中国市場で19.3%に達したサムスン電子とLG電子製のスマートフォンシェアは4年で1%台にまで低下した。
中国のスマホ市場の首位は華為(ファーウェイ)であり、シェアは27%に達する。
世界のスマートフォン市場でも中国メーカーのシェアは18.4%まで高まり、サムスン・LG(19.5%)に迫っている。

その影響で韓国の輸出品目6位であるスマホの輸出額は2年で半分に減少した(中国やベトナムでも大量生産しており、販売では一概に半分も減少したとは言えない)。
中国製スマホは、世界水準の品質も備えており、攻勢を強めている。最近スペインで開かれたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で、今年の最高のスマートフォンに選ばれたのは華為だった。

<未来産業では・・・>
現代自動車の工場閉鎖は、汎用製品で中国に押され、人工知能(AI)、バイオ、自動運転車など未来産業分野でも出口を見つけられずにいる韓国経済の現状を物語っている。
中国は、未来カーの電気自動車分野で米国と2強を形成している。
未来の成長動力に関する中国の技術面での崛起は恐ろしいほど。
世界的な学術情報業者が次世代の電子、半導体、バイオなど先端技術分野で国別の研究開発能力を比較した結果、中国は30分野中23分野で論文数がトップとなった。平行して世界特許申請件数も急増している。

その間に韓国でどんな企業政策が示されたかを思えば、ため息ばかりが出る。
財閥で持っている韓国輸出経済にあり、反企業路線で、何年も月日を無駄にし、さらに公正経済を公約した文政権と自動車の貴族労組が一緒になって構造改革を阻めば、韓国の産業は想像だにできない状況へと追い込まれかねない。
以上、韓国紙参照

中国国内で現代自動車だけで150万台キャパの工場(計5工場)を有している。

 

現代・起亜の中国販売推移
万台
前年比
2012
134
 
2013
157
17.7%
2014
176
12.0%
2015
167
-4.9%
2016
179
6.7%
2017
114
-36.1%
2018
118
3.1%
・輸入車含まず、中国汽車工業協会版

 

2018年 スマホ販売ランキング メーカー別
米IDC版
2018年
 
百万台
前年比
シェア
サムスン電子
292.3
-8.0%
20.8%
アップル
208.8
-3.2%
14.9%
ファーウェイ
206.0
33.6%
14.7%
OPPO
113.1
1.3%
8.1%
シャオミ
122.6
32.2%
8.7%
ほか
462.0
-19.4%
32.9%
合計
1,404.9
-4.1%
100.0%