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ブロックチェーン、ビッグデータ、IOT、ロボット、AI、完全自動運転車・・・急速に進化すると見られていたIT業界および関連業界、支離滅裂なトランプに世界経済は翻弄され変調を来たしている。

世界の半導体メーカ-でつくる業界団体「WSTS」は、今年1年間の世界の半導体の販売額は米中貿易摩擦の影響を受けて前年を下回るという予測が発表した。
それによると、今年1年間の世界の半導体の販売額の予測は12.1%減の4120億ドルとなる見通し。

前年11月時点までは、プラス成長を見込んでいたが、一転して2桁のマイナス予測となった。
これは、米中貿易摩擦によって、アメリカから追加関税が課せられる中国製の電子機器の生産が減少し、それにともなって半導体の需要が減っていること、世界的にスマホの売れ行きが頭打ちとなっていることが主な要因。
半導体の販売額が、前年の実績を下回ると、2015年以来4年ぶりとなる。

また、別の団体「SEMI」によると、世界の半導体製造装置の今年1月から3月までの販売額も前年同期から▲19%減少している。
スマホの売れ行き低迷を背景に半導体の需要が、想定以上に下回ったことが要因だとしている。
以上、報道参照

ただ、半導体景気に増産体制を敷いているため、出荷量は知要請しているものの増加し、値崩れを引き起こしている。
すでにサムスンもSKの韓国勢も生産調整に入っているというが、需要が弱く単価は下がり続けており、需給バランスが崩れたままになっている。

半導体価格は、すでに昨年9月をピークに下落、DRAM価格は前年同月比で半額まで落ち込んでいる。これは、成長を見越して買い込んだ半導体が、成長鈍化で組み込み製品メーカーの在庫が増加したため生じている。こうした状況は年末まで続くと見られていたが、5月から米中貿易戦争が激化、今では向こう1年間続くと予想されている。

当然、半導体メーカーの設備投資に当たる半導体製造装置の出荷量も落ちている。
唯一、景気が良いとされるアメリカでも、すでに製造業はピークアウトしており、消費に陰りが出てきた場合、GDPの7割を占める消費も急速に悪化するとの見通しもなされている。

5月10日のトランプ米政権による対中国2000億ドルの追加関税制裁では、対象が、米消費を直撃する物品が多くを占め、さらに予定されている3000億ドル制裁では、アメリカ企業が直接・間接、中国で製造している製品が全部入り、米消費者を直撃することになる。

2000億ドル制裁(2018年9月24日~5月10日)での10%追加課税段階では、中国の値引きと輸入販売するアメリカ企業の努力で、米消費者への影響を最小限にとどめてきた。しかし、5月10日からの15%(結果25%の追加関税)にはまったく対応できず、米企業や米消費者を直撃することになる。3000億ドル制裁では言わずもがなである。

こうした影響が消費出てくる8月ころから、米消費経済を蝕み、10月末からのクリスマス商戦~年末までには、アメリカ№1のトランプ経済も急速に低迷してくることが予想されている。

それほど、消費財を中国に依存している結果であるが、同じく依存しているメキシコさえも不法移民政策でメキシコが対策を採らない場合、10月までに5%ずつ25%まで引き上げるとしており、収拾が付く話ではなくなってきている。

トランプは、対中政策も不法移民政策も(妥協的和解を拒否する)タカ派ばかりを布陣させており、トランプが当初予想だにしなかった部分にまで拡大し続けており、「最後は私が決める」と言うものの、その範疇は非常に狭まっている。

このままでは、頼りの自国経済の尻から火が噴き出し、戦争が大好きな国民性ゆえ、どっかの国に戦争でも仕掛けない限り、20大統領再選は覚束ない。自らの策に溺れ過ぎた結果だろう。

<半導体価格・暴落>
市場調査機関ディルハムエクスチェンジ(DRAMeXchange)による、過去2月末基準DDR4 8Gb(ギガビット)Dラム固定取引価格は5.13ドルで、月前、1月より14.5%下がっている。

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