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香港の民主派団体は16日、「逃亡犯条例」改正案の完全撤回や林鄭月娥行政長官の辞任を求める大規模デモを実施した。
主催者は200万人近くが参加したと発表した。
政府が12日に起きた学生らの道路占拠を「暴動」と呼び、催涙弾を使った強制排除で多数のけが人が出たことにも批判が集まっている。

前回9日の103万人を大幅に上回り、1997年の中国への返還以降で最大のデモとなった。
中国承認の林鄭長官は15日に改正を延期すると表明したものの撤回には応じず、市民の反発が強まっている。林鄭長官は市民に陳謝したが、事態が収束するかは見通せない。

林鄭長官が改正延期を発表した後、経済界や欧米からは決断を支持する声があがった。地元経済団体の香港総商会は「政府の決定を歓迎する。落ち着いて理性的な議論に戻れるようになる」との声明を出した。
英国のハント外相も「人権擁護のために立ち上がった勇敢な人々の懸念に留意した」と香港政府の判断を歓迎した。
(英国はEU離脱後の投資を充てにならない米国より中国に期待している。そうしたことからも香港問題であったとしても強い言動には出ない)

一方、中国は内政干渉だとこうした動きに批判しているが、香港の場合、50年間という約束を国際社会としており、香港を天安門事件の再来にすることだけは許されない。

香港政府が条例の完全撤回に応じるかどうかは不透明、事態が収束するメドはみえない。香港の政治リスクコンサルタントのスティーブ・ビッカーズ氏は「(改正延期で)一般的な抗議は抑えられるだろうが、(デモなどの)中心にいる活動家の抗議は続くだろう」と指摘する。

 2014年には香港の長官選挙に中国が介入したことから、学生を中心に反政府デモが発生、雨傘革命という大規模反政府デモと一帯の占拠となった。50万人が参加した。

中国は1997年、50年間は一国二制度で香港の中国への返還を実現させたが、すでに二制度を否定する動きを続けており、英国との約定は過去のものとすでに切り捨てている中国高官もいる。
香港で中国体制を批判する本を販売している各本屋の代表を、中国政府は次々拉致するなど、やることなすこと北朝鮮並み。拉致してもいっさい公表もせず、中国政府に殺されたとしても行方不明のままとなる。
香港にはそれまで統治していた英国籍を取得している中国人たちも多く、英国としても国民を守る権利がある。

一国二制度は中国自身が設定した制度であり、1997年の香港返還に当たり英国領だった香港に対して中国は、社会主義政策を50年間(2047年)導入・行使しないとの約定が中英で締結されている。しかし、中国はすでに香港の長官選挙に介入、中国政府寄りの人物しか長官になれないようにしている。

米中貿易戦争では、知財侵害から始まり、貿易赤字問題、南シナ海問題、一帯一路覇権戦略による借金漬物国化問題、ウイグル族100万人収容人権問題、ファーウェイなどのITセキュリティ問題、香港問題へと戦線は拡大するばかり。

トランプ米大統領は、来年の大統領選挙を控え、中国制裁で米経済へも影響してきており、早期に知財と貿易赤字解消問題だけで和解したい意向のようだが、自らが戦線を拡大させており、また、中国も紛争の種を撒き散らしており、どうなるか皆目見当は付かない。
ファーウェイ製品の米輸入禁止は中国にとっても想定内、米製品のファーウェイへの輸出が解禁されればよしとみている。
それでも米国との同盟国にもファーウェイ製品の導入を禁じるように呼びかけており、それには中国は苛立っている。トランプがどこで妥協するか不明。

しかし、中国の中華思想に基づく一帯一路軍事経済覇権戦略問題は、米中が存在する限り対立軸となる。

借金の漬物国となっている国々で、財政を破綻させたら、問題がもっとクローズアップされようが、中国によりパキスタンのように漬物になり漬物が腐れて財政破綻している国でさえ、さらに中国が貸し付け一時的に難を逃れている。
アフリカ・南太平洋の島々はすでに中国の漬物国ばかりとなっており、その食指は米国の庭である中南米にも至っている。
IMFはパキスタンに対して、支援しても支援金を中国の借金返済には充当させないと強く表明し、それならと中国が支援したようだ。
中国は、パキスタンの国土でも借金のカタに割譲させるつもりだろう。
すでにオーストラリアのダーウィン、スリランカ、ジブチ、港湾を実質割譲の99年間貸与し、財政破綻のギリシャでもプレウス港の港湾運営会社の67%の株を取得している。
財政破綻のパキスタンをギブアップさせ、中国から借金の漬物国にされている国の国民に対し警鐘を鳴らさせるべきだろう。

香港は中国に民主化を図らせるための橋頭堡にもなる存在だが、北朝鮮同様独裁国の中国では体制崩壊にも繋がるような動きは、監視カメラ2億台、10万人以上によるネット監視部隊により、反政府勢力の活動を封じ込め、また、そうした人物たちは全員拘束している。
報道機関の検閲も厳しくなるばかりで、政治批判や政府批判に繋がるような事案の記事さえも新聞やネットで禁止されている。