長野県千曲市の温泉旅館「遊子 千曲館」を運営していた(株)リバーサイドホテル(旧商号:(有)千曲館、東京都新宿区)が、2026年10月8日、東京地裁から特別清算開始命令を受けたことが分かった。
同社は、長野県千曲市の戸倉上山田温泉にある老舗旅館「千曲館」の旧運営法人。旅館は2024年3月、米国の会員制旅行大手Travel + Leisure Co.(トラベル・アンド・レジャー)によって買収され、「クラブウィンダム千曲館 長野」にリブランドされた。
現在の施設については、別法人のトラベルアンドレジャージャパン(株)が運営会社として採用活動を行っており、旧法人の特別清算後も新たな運営体制による営業が確認されている。
今回特別清算開始命令を受けたのは、旧・千曲館の運営法人であるリバーサイドホテルであり、現在のホテル運営会社とは別法人となる。
負債総額や特別清算に至った詳しい経緯については、現時点で確認できていない。
戸倉上山田温泉の老舗旅館「千曲館」を運営
リバーサイドホテルの旧商号は「有限会社千曲館」。かつて長野県千曲市に本店を置き、戸倉上山田温泉の旅館「遊子 千曲館」を運営していた。
戸倉上山田温泉は千曲川沿いに温泉旅館が集まる長野県内の観光地で、千曲館も地域の宿泊施設の一つとして知られていた。
2026年3月31日時点の観光庁「国際観光ホテル整備法 登録旅館一覧」には、登録番号R1073として「千曲館」が掲載されている。
同資料に記載された法人番号は7100002009956で、今回特別清算開始命令を受けた株式会社リバーサイドホテルの法人番号と一致する。
また、過去の企業情報には、同じ法人番号で「有限会社千曲館」として登録されていた記録がある。
このことから、今回の特別清算対象は、千曲館の旧運営法人と同一の法人であることが確認できる。
なお、旅館の創業時期については、新運営会社の求人資料で大正期に創業した老舗旅館と紹介されているが、旧運営法人の正確な設立年月日とは区別する必要がある。
2024年3月、米Travel + Leisureが温泉旅館を買収
2024年3月1日、米国の会員制旅行大手Travel + Leisure Co.は、長野県千曲市の温泉旅館「遊子 千曲館」を買収したと発表した。
同社は買収した施設を「クラブウィンダム千曲館 長野」にリブランドし、国内外の旅行客や会員制リゾートの利用者に向けて展開する方針を示した。
発表によると、施設は全36室の温泉旅館で、和室と洋室を備え、天然温泉の内湯や露天風呂、レストラン、宴会場などを設けている。
宴会場は3カ所あり、最大130人規模の催事にも対応できる施設として紹介されている。
Travel + Leisureは、今回の買収を日本市場での事業拡大の一環と位置付け、外国人旅行客の増加などを見据えて会員制リゾート事業の展開を進めるとしていた。
クラブウィンダム千曲館 長野は、日本国内で初めてクラブウィンダムのブランドを冠する施設として発表された。
ただし、買収金額や売買契約の詳細、旧運営法人に対する支払い条件、債務の引き継ぎなどについては確認できていない。
クラブウィンダム千曲館 長野として営業を継続
買収後、温泉旅館は「クラブウィンダム千曲館 長野」の名称で営業を展開している。
2024年4月には、アジア太平洋地域で展開する会員制リゾート「クラブウィンダム・サウスパシフィック」に加盟したことも発表された。
同クラブはオーストラリアやニュージーランド、日本などに会員制リゾートを展開しており、千曲館も会員による宿泊利用に対応する施設として組み込まれた。
施設の公式ウェブサイトでは、客室、温泉、食事、宿泊予約に関する案内が公開されている。
また、2026年7月のハローワーク求人情報では、トラベルアンドレジャージャパン(株)が「クラブウィンダム千曲館 長野」を自社施設として記載し、フロント・予約業務やレストラン業務の従業員を募集していた。
2026年9月更新の宿泊業求人情報でも、同社がクラブウィンダム千曲館 長野の運営会社として紹介されている。
こうした情報から、2026年に入ってからも旧法人とは異なる運営体制で施設事業が継続していたことが確認できる。
ただし、現在の宿泊受け入れ状況や予約可能日などについては、施設の最新案内を確認する必要がある。
旧運営会社は東京都新宿区へ本店移転、特別清算に
千曲館の旧運営法人は、その後「株式会社リバーサイドホテル」の商号となり、登記上の本店を東京都新宿区西新宿へ移していた。
2026年10月8日、同社は東京地裁から特別清算開始命令を受けた。
事件番号は令和8年(ヒ)第2056号となっている。
特別清算は、解散した株式会社の清算について、債務超過の疑いなどがある場合に裁判所の監督のもとで清算を進める法的手続き。
今回の開始命令は、旧運営法人であるリバーサイドホテルを対象とするもので、2024年に買収された温泉旅館の営業主体とは区別される。
同社が商号や本店所在地を変更した正確な時期、直近の売上高、負債総額、特別清算に至った具体的な経緯などについては確認できていない。
また、施設の買収に伴って旧運営会社の資産や債務がどのように処理されたかについても明らかになっていない。
温泉旅館の買収と旧会社の法的整理は別の事象
今回の特別清算で注意が必要なのは、旧運営会社の法的整理と、温泉旅館の事業継続を混同しないことだ。
Travel + Leisureによる施設の買収は2024年に公表されており、その後、施設は新たなブランドで展開されている。
一方、2026年10月に特別清算開始命令を受けたのは、旧運営法人であるリバーサイドホテルとなる。
現在のクラブウィンダム千曲館 長野については、別法人による運営が確認されており、今回の特別清算開始命令をもって、同施設が倒産・閉館したと判断することはできない。
旧会社の清算手続きと、買収後の温泉旅館の運営状況はそれぞれ区別して捉える必要がある。
会社概要
特別清算対象の旧法人
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法人名 |
株式会社リバーサイドホテル |
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旧商号 |
有限会社千曲館 |
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登記上の所在地 |
東京都新宿区 |
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旧事業 |
温泉旅館「遊子 千曲館」の運営 |
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旧施設所在地 |
長野県千曲市 |
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法人番号 |
7100002009956 |
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特別清算開始命令 |
2026年10月8日(東京地裁) |
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負債総額 |
確認できず |
買収後の温泉旅館
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現在の施設名称 |
クラブウィンダム千曲館 長野 |
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旧施設名称 |
遊子 千曲館 |
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施設所在地 |
長野県千曲市 |
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客室数 |
36室 |
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買収企業 |
Travel + Leisure Co.(米国) |
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買収発表 |
2024年3月 |
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現在の運営会社 |
トラベルアンドレジャージャパン株式会社 |
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位置付け |
今回の特別清算対象外 |
※特別清算開始命令を受けたのは、温泉旅館「遊子 千曲館」の旧運営法人である株式会社リバーサイドホテルです。現在の「クラブウィンダム千曲館 長野」の運営会社とは異なります。