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工場の廃熱などを利用して電気を作る「熱電変換シート」と呼ばれる 素材の寿命を、これまでより100倍程度に伸ばす素材の開発に、九州大学大学院工学研究院カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の 藤ヶ谷剛彦准教授、福丸貴弘特任助教、中嶋直敏教授の研究グループが成功した。

「熱電変換シート」は、2つの物質の温度差を利用して電気を作る、厚さが髪の毛ほどのシート状の素材で、価格も5センチ四方のシート1枚が数百円程度で、工場の配管などに貼り付けることでむだになっている熱から電気を回収できるとして注目されている。

しかし、電子を移動させるための薬剤がなくなりやすく、数時間で発電できなくなり、発電効率が低いことも課題だった。

藤ヶ谷准教授ら研究グループは「カーボン・ナノチューブ」と呼ばれる炭素でできた直径1億分の1メートルほどの筒の中に薬剤を閉じ込めることで、長い時間、電子が移動できるようにした。

これによって素材の寿命が、これまでの100倍ほどの1週間程度にまで伸び、発電効率も10倍以上に高まったという。研究グループは、今後5年以内の実用化を目指すとしている。

http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_01_23_1.pdf