アイコン アサヒ製鏡(福岡市)/事業承継問題浮上か?

同社は、福岡を代表する硝子卸会社として多くの建築現場に対応してきた。卸を基本としているため、硝子工事会社やサッシ会社など多くの顧客を有し、多種多様な建築現場に対応してきた。今では代表の出身である宝鏡より大きい存在である(元会長は三和硝子出身)。

しかし、代表も昭和12年生まれと70歳を越え、采配に陰りが出てきたのではとの業界筋の話が出てきている。やはり丸栄(5月1日自己破産、負債総額7億円)との取引に深追いし過ぎ、大きな焦付きが発生したことに起因した話という。
丸栄はそれまでにも何回も危機に陥り、その都度同社が支援した経緯があり、その挙句破綻したのでは、もともこうもない話である。同社にとってはただ被害を大きくしただけであったとされている。破綻した丸栄は、これまで空港公団により生き延びてきた経緯があった。箱崎時代(福岡市東区)には敷地が空港公団により買収され大金が入った。それを元手に社領3丁目(福岡市東区)に移転、しかし、以前から中小の工務店を対象に営業していたことから、焦げ付きが多発、空港公団から入った資金で表面上の財務基盤は改善されたものの、資金は自社ビルおよび事務所兼加工場などの設備投資などに消え、その後も続く焦げ付きに実質債務超過状態に陥っていたとされる。その後丸栄は事務所兼加工場を閉鎖して、本社ビルに移転して対応していたが、サブプライムローン問題からリーマンショックまで仕事も減少し続け、8億円台の売上高が4億円台まで下落、資金が回転できなくなり今5月破綻したものであった。
アサヒ製鏡は、丸栄の破綻でも1億数千万円の焦げ付きで済んだからよかったものの、本来はオールサッシ販売の焦げ付き分1億円超も同社に由来するものであったという。関係者によるとオールサッシは、丸栄には噂が多発しており、丸栄と取引するに当たりアサヒ製鏡の保証付きで丸栄にサッシを入れる約束であったという。しかし現場ごとの保証契約であったため、オールサッシは最近ではなかなかアサヒ製鏡から印鑑がもらえず、丸栄が破綻した時には保証契約分がなかったそうである。そのため丸々丸栄に焦げ付いたオールサッシ販売であったという。丸栄は旭工務店のいくつもの現場に入れていたが、主にその分が焦げ付いたと関係者は述べている。
基本契約としなかったオールサッシ販売のミスであるが、またアサヒ製鏡が印鑑を押さなかったことから、オールサッシ販売の焦付き分(約1億数千万円)は免れたことになる。
財務内容が良いアサヒ製鏡は、丸栄への焦げ付きでグラ付くような会社ではないが、最近また、取引先に対して保証をして・・・とかの噂も出ている。しかしこれは噂ではなく事実である(代表は非常に人情に濃い人だといわれている)。
こうしたことから、社長交代説がまことしやかに流れているのであるが、代表も高齢であり、時代も急変しており、財務内容が健全な今のうちにバトンタッチした方が賢明かと思われているのであろう。

[ 2009年10月19日 ]
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