牛丼戦争/松屋60円値下げ/すき屋CM大キャンペーン/どうする吉野屋
すき屋はガンガンCMしている。松屋からは60円も値下げするというサラリーマンには有り難い話が舞い込んでいる。ところが、安部さん率いる吉野家がおとなしいままである。
<3社の中間決算は?>
吉野屋/連結 百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
09年2月期第2四半期 | 79,595 | 2,006 | 2,492 | -569 |
10年2月期第2四半期 | 92,826 | 232 | 405 | -391 |
10年2月期予想 | 187,000 | 500 | 700 | -1,300 |
松 屋/連結 百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
09年3月期第2四半期 | 30,526 | 791 | 777 | 233 |
10年3月期第2四半期 | 30,508 | 884 | 851 | 348 |
10年3月期予想 | 62,500 | 2,320 | 2,240 | 800 |
すき屋/連結 百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
09年3月期第2四半期 | 149,502 | 4,436 | 3,720 | 2,610 |
10年3月期第2四半期 | 162,330 | 6,778 | 6,206 | 2,823 |
10年3月期予想 | 346,927 | 11,512 | 9,000 | 2,683 |
※ 会社名はゼンショー、すき屋の牛丼の売上高は中間期618億89百万円となっている。
<牛丼店舗数、半年間>
牛丼会社名/百万円 | 店舗数 | 牛丼売上高 | 1店舗当り売上高 |
吉野屋 | 1,137 | 52,451 | 46.1 |
松屋 | 769 | 30,508 | 39.6 |
すき屋 | 1322+469(なか卯) | 61,889 | 34.5 |
※ FC店も入っており一概に比較できないため目安である。
<牛丼価格>
吉野屋 | 松屋 | すき屋 |
380円 | 320円 | 330円 |
※松屋は新価格表示、これまでは380円。
<中間期の財務比較>
連結 百万円 | 総資産 | 株主資本 | 自己資本 | 自己資本率 |
吉野屋 | 110,641 | 71,541 | 66,791 | 60.4% |
松屋 | 47,438 | 29,173 | 29,173 | 61.5% |
すき屋(ゼンショー) | 235,123 | 42,668 | 29,943 | 12.7% |
こうしてみると体力的には吉野屋が一番あるようであるが業績は一番すぐれない。近隣に競合店があれば、庶民の舌の感覚はそれほど敏感ではなく最寄りの店に行こう。うどんやラーメン・ほか弁などの他業種のファーストフード店との競合が多いと見る。しかし、吉野屋と牛丼2社との価格差が50円は大きすぎる。また吉野屋が過去そうであったように、宣伝やキャンペーンは侮れないものがある。
吉野屋は肉質が美味しいとされるアメリカ牛を使用しており、アメリカ牛にこれまでもこだわっており、今更変えられないだろう。しかしアメリカ牛はオーストラリア牛に比べ価格も高く、販売価格を下げることができない。現状の吉野屋の牛丼価格は、売上を伸ばしても価格を下げた分、利益は逆ザヤになっているようである。それを中間決算数値が示している(「どん」を子会社化したことも起因している)。現行の吉野屋はセット商品で顧客単価を上げようと努力しているが、もっとセット商品が直ぐ来て短時間で直ぐ食べられる工夫が必要であろう。松屋とすき屋はオーリトラリアンビーフを使用しており、現在値下げ競争の真っ最中。値下げの宣伝効果はあろうが、吉野屋のように利益を損なう可能性もある。
[ 2009年11月27日 ]
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