アイコン 日本アジア投資/本当に大丈夫か

同社はで継続企業の前提に関する注記がなされたことを受け、最初にADRを申請、金融機関に対して借入返済の繰り延べを依頼して承認された。

同社の主事業はベンチャーキャピタル事業とファンド組成事業であるが、いずれもリーマンショックにおける証券市場の冷え込みから、日の目を見ない状況が続いている。主業務は上場させて何簿のものであり、景気が多少良くなったとしても、余程の市場占有率やレアな製品を有しない限り、無理して上場させても利益が転がり込まず、昔のような美味しい話は少なくなる。当然同社が投資する先の株価は未上場であるが、投資する価格は、時の同業種の上場会社の株価に準拠する。そのため、リーマンショックのような株価の暴落局面では、評価損問題が発生するのであるが、肝心要の投資先が上場してくれない限り、投資先に投資金がへばり付き、借入金の返済はできないビジネスモデルである。そのためADRを活用して金融機関に対し、返済繰り延べを要請したものであった。
これまでに、いい頃加減な会社も含めて上場させ、ボロ儲かりしたベンチャーキャピタルであり、同社も儲かり純資産額も732億円にまで膨れ上がっていた。いいことばかりは続かない典型であろう。
しかし、景気が回復してくれば、605億円を投資している投資先のいくつかが公開してくることから、その利益は評価損も出しており、大きなものとなって帰ってくる可能性がある。
いずれにしろ、投資先で上場まで漕ぎ着けるのは100社のうち2~3社ともいわれる世界、
早く証券市場が回復してこなければ黒字倒産だってありうる。
前期は、破綻したりんかい日産に69億円もつぎ込むなど、最後の1年間におけるりんかい日産の動きを知らな過ぎである。投資先・融資先のチェックが決算ごとにしかできていない証であろう。あまーい。

決算年月
平成17年3月
平成18年3月
平成19年3月
平成20年3月
平成21年3月
営業収益
11,462
16,675
26,921
21,444
9,454
経常利益
2,638
5,709
12,263
4,392
△32,696
当期純利益
△3,161
2,906
4,942
1,512
△34,899
純資産額
44,739
51,413
73,271
70,921
  25,204
総資産額
86,864
84,078
109,909
116,249
74,631
自己資本比率
51.5
61.2
51.1
47.2
18.5
有利子負債
 
 
31,099
40,272
46,830
ファンド運用資産
 
133,118   
136,639
147,887
124,096

213期末のファンド数は63本。1本あたり1969百万円。

借入金/百万円
20/3期末
21/3期末
三菱東京UFJ
3,125
6,223
農林中金
2,737
2,262
信金中央
0
2,000
みずほ
2,458
1,802
あおぞら
1,350
1,482
北洋
0
1,175
静岡
0
1,100
中國
0
998
三井住友
1,577
 
りそな
1,412
 
静岡中央
1,068
 
東和
850
 
その他銀行計
15,825
20,108
合 計
30,402
37,150
 
色は逃げた銀行
 
色は新たに儲けようとした銀行

 
今中間期実績

非連結/ 百万円
営業収益
営業利益
経常利益
当期利益
09年3月期中間期実績
5,301
-9,117
-9,771
-12,226
10年3月期中間期実績
5,367
-4,590
-5,131
-3,766

 
[ 2009年11月 4日 ]
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