リサ・パートナーズ/安定にはまだ距離
同社の業務内容は、プリンシパル投資事業(自己勘定投資事業)、ファンド事業(企業投資ファンド・地域企業再生ファンドの組成及び投資)、インベストメントバンキング事業(M&Aアドバイザリー・企業再生支援等)などカタカナ業となっているが、資産項目からは不動産転がし、有価証券投機、買取債権となっている。
連結/ 百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
08年12月第3四半期実績 | 20,492 | 7,215 | 5,505 | 4,009 |
09年12月第3四半期実績 | 8,120 | 1,922 | 611 | 356 |
同社は、今期NECキャピタルソリューション(NEC-C)を割当先とする第三者割当(資本業務提携)による40億円と、三井住友銀行をアレンジャーとするシンジケートローンによる95億円、また自社所有物件の流動化により45億円の計180億円資金を調達して、1年以内に返済すべき借入金152億円に対応させている。しかし、前期末991億円の有利子負債を抱え、6月の中間期末でも71億円しか減少しておらず、主に借入金で賄った投資資産が景気後退の影響を受け続けるならば、中間期末の販売用不動産残352億88百万円、投機有価証券残186億46百万円、買取債権残320億72百万円、計860億06百万円の資産の評価(評価損対象ではない部分もあり)問題も再浮上してこよう。今後とも不動産価格の回復には時間がかかり、有価証券も一時1万円を超えたものの再度9000円台まで下落しており、アメリカの株価が失業率でフラフラするなか本格回復には当分時間がかかり、買取債権も中身が見えないだけ不安がある。
NEC-Cが40億円出資したがほかにどれほど融資残があるかでNEC-Cの存在価値があるが・・・・
リサ・パートナーズの08年12月末現在の借入概況
借 入 先 | 金額/百万円 |
三井住友銀行 | 24,596 |
関西アーバン銀行(三井住友系) | 11,662 |
西日本シティ銀行 | 4,435 |
その他計 | 43,827 |
合 計 | 84,520 |
第3位の西日本シティの融資残が44億円であり、NEC-Cの融資はあったとしてもそれ以下でしかない。NEC-Cが同社に執着するのはリサ社がファンド組成事業を行っており、その大口投資家の可能性は残るが、三井住友銀行系列が資本参加しない以上、見方は慎重にならざるを得ないのが現実である。
[ 2009年11月11日 ]
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