パワービルダーの本命「一建設」（元、飯田建設工業）／25日にJＱ上場

　長年分譲住宅販売№1の一建設は、元々本バブル時代プレカット工法が確立するなか、ローコストハウスを提供した先駆的なパワービルダーとして知られた飯田建設工業が、社名変更した会社ある。　

同社は飯田一男会長が作り上げた会社であり、元々飯田グループを形成、飯田産業・東栄住宅・アーネストワンなどのパワービルダーの中核企業であった。現在ではそれぞれに㈲一商事が大株主として存在するものの、独自展開しており関係も薄まっている。
　特徴は、ミニ分譲地を開発して格安住宅を分譲しており、関東を主力に、九州でも長崎・福岡・大分で展開している。大型開発はしておらず、販売用モデル住宅を1棟建て、チラシを撒き、人寄せパンダ方式で、1団地4～6棟くらいを売り捌いている。都市郊外で分譲していることから、不動産ミニバブルの地価上昇などの影響は抑えられ、販売価格も安いことから、若い夫婦向けに好成績を納めているが、現在不況の影響を受けている。売上高には、当然土地販価も含まれている。以前はマンション分譲事業も大きくしていたが、数年前から縮小し、戸建分譲中心になっている。

前期の売上高構成は、戸　建　　1,658億51百万円（6117棟）
マンション　 56億94百万円（211戸）
　年間の販売棟数は、05年6,626棟、06年6,529棟、07年6,568棟、08年6,117棟。

決算/百万円	05/1月期	06/1月期	07/1月期	08/1月期	09/1月期
売上高	182,578	192,054	197,254	205,658	177,280
経常利益	14,699	11,996	12,880	5,549	5,734
当期純利益	11,351	7,194	9,011	3,289	3,299
資本金	90	90	90	90	90
発行済株式総数	25,562	25,562	25,562	25,562	25,562
純資産額	2,356	5,904	13,276	16,549	19,837
総資産額	92,135	89,225	114,824	101,661	83,836
自己資本比率	2.56	6.62	11.56	16.28	23.66

　社員数：811名、平均年齢：35.1歳

　一建設は、飯田建設工業から2002年2月に社名変更。同社の会長の実質持株会社と見られる㈲一商事が、飯田産業（19.29％）・東栄住宅（13.95％）の大株主であり、アーネストワンも過去、飯田建設工業に買収され、飯田建設工業の建築部門として再建され、独立した会社である。

首都圏で3000万円台の住宅を提供しており、不況にも強いところを見せている。
グループの一建設など地方でも動き回っており、売れていないとか、いや今でも不動産を積極的に買い漁っていると聞くが、今住宅市場の不況下で赤字転落していないことは評価に値しよう。

当第２四半期累計期間の売上高は1011億03百万円、営業利益は68億44百万円、経常利益は65億75百万円、四半期純利益は39億59百万円。

大株主/現在	所有株数(株)	率(％)
樹商事	10,800,000	42.25
飯田　一樹	3,330,000	13.03
飯田　一男	2,578,210	10.09
小泉　公善	1,460,000	5.71
飯田　和美	1,291,000	5.05
みずほ銀行	1,200,000	4.69
飯田産業	1,200,000	4.69
従業員持株会	912,570	3.57
パラダイスリゾート	500,000	1.96

㈱飯田産業との関係

㈱飯田産業（東証一部、不動産業）は当社株式の4.69％を保有する大株主。また、当社株式の1.96％を保有するパラダイスリゾート㈱は、㈱飯田産業の子会社、0.78％を保有する森和彦氏は㈱飯田産業の代表取締役会長、0.39％を保有する森純子氏は森和彦氏の配偶者。

㈱飯田産業は、昭和52年７月に当社子会社として設立、平成６年７月から平成７年12月までは当社の関連会社であったが、現在当社は㈱飯田産業の株式を保有していない。但し、当社の代表取締役会長の飯田一男は、㈱飯田産業の株式を0.64％（平成21年４月30日現在）保有。また、代表取締役会長の飯田一男の二親等内の血族が、総株主の議決権の過半数を有する会社である有限会社一商事は、㈱飯田産業の株式を19.29％（平成21年４月30日現在）を保有している。

当社と㈱飯田産業は同業者で競業関係にありますが、現在、事業上の関係は一切なく、また、㈱飯田産業の保有する当社株式の売却に関する制約もないことから、安定株主として当社株式を将来的に保有し続ける保証はない。としている。

[ 2009年12月15日 ]

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