アイコン 売れなくなった真珠・宝飾品/田崎真珠・サダマツほか宝飾業界

宝飾品販売の代表的な会社の1社である田崎真珠は、08年8月期売上高290億円が、10月期の売上高が180億円まで落ちる。同社は再生ファンドにより再建中であるが、先が見えてこない状況が続く。

真珠も通販カタログに、国産品とは信じられないような価格で販売される時代になっている。
福岡のある宝飾品販売の社長は「全く売れない」と嘆いていたが、これまで宝飾品を牽引していたエセセレブも節約志向下にあり販売不振は全国一律のようだ。
グラフ 
<トレンド>
こうした動きは、今に始まったことではなくサブプライムローン問題が始まった07年7月頃から顕著になったまで、中流層以下の可処分所得を減少させてきた小泉政権の失政が原因である。老舗は持ちこたえているものの、資本のない宝飾店の経営破綻も多い。パールバンク+サヴイやジュエリーマキの倒産もそうした破綻であった。
また今の一般的な女性は、宝飾品をカジュアルに身に付ける感覚であり、以前あった財産形成などの考えは毛頭なく、高価な宝飾品を購入するのは婚約指輪くらいであろう。
<田崎真珠>老舗

連結/百万円
04/10
05/10
06/10
07/10
08/10
09/10期予
売上高
29,294
28,555
29,122
30,211
29,570
18,783
経常利益
897
899
493
564
-3,902
-370

こうしてマーケットは縮小するばかり、アラブの王侯貴族や日本の金持ちおばぁちゃま(宝飾品の収集が趣味)を顧客に持たない限り商売ができにくくなっている。日本のそうした趣味のおばちゃま達は高齢でだんだん減少しているのが現実でもある。
 
 
<サダマツ>宝飾業界の新興勢力

連結/百万円
05/8
06/8
07/8
08/8
09/8
売上高
5,358
7,619
8,018
8,463
7,279
経常利益
142
101
-215
122
79

田崎もサダマツも元々長崎県出身
 
<金価格上昇>
金価格の上昇も宝飾品の販売に影響している。商品価格を値上げしてよけいに売れなくなっている。ブランド宝飾品も然りである。
<少子化>
少子化の影響もある。宝飾品の最大顧客である女性も、その裾野である人口が少子化から減少している。
<ニューウェーブ>
 これまでの販売店による販売から、通販・ネット通販・テレビ通販など通販が多様化、そうした販売会社はメーカー直の買い付けや自社生産しての販売など、これまでの流通経路を一変させた。
○ カジュアル宝飾を、倖田來未を起用してフリーペーパー方式で通販している京都のジェムケリーもある。
○ こうした動きの代表が、石と宝石という概念を変えたストーンマーケットいう会社であろう。あっという間に100億円と宝飾業界でいう大台の売上高を突破している。
○ 京セラはダイヤほか人工宝石を製造しているが、ワコールと提携して人工宝石入りブラジャーを予約販売している。何か宝島的発想の面白い動きである。胸元にアレキサンドライト使用。
 
今後ともこうした動きに歯止めはかからず、既存の宝飾店業界は、体力のある会社だけが生き残り、ほかは商売変えしない限り店仕舞するしかないサイバイバルゲームとなっている。
[ 2009年12月 5日 ]
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