アイコン ミカド潰しのタカラスタンダード?潰してからのスポンサーに切り替えた?

販売提携の基本合意に達したと10月8日公にリリースしていたタカラスタンダードであり、今回のミカド破綻劇は何ゆえ生じたのであろうか。(両社のリリースは最下段に掲載)
タカラスタンダードは、販売提携契約を前提にミカドの会社内容の実態を調べ尽くし、資本提携するものではないとわざわざ同リリースで記載もしていたと思われる節がある。

 

当初から逃げの戦略であったのであろうか。

通常資本提携して取り掛かる営業店舗を統合するなど、両社は具体的な方策を打ち出しており、今回のタカラスタンダードの逃げは、一般債権者に油断も隙も生じさせたものであり、社会的な責任は免れない。
ミカドは、タカラスタンダードとはスポンサー契約していたわけではないと回答しているが、09年3月期:売上高312億25百万円を売上げるミカドにタカラスタンダードが食指を伸ばしていたことは間違いなく、潰し、負債が軽くなった後に、乗り出す魂胆に切り替えたと思われる。
 
タカラスタンダードは、全国の分譲マンションの50%近くのシステムキッチンを納品しており、その価格は同業のサンウェーブを実質潰すもの(住生活が救済、完全子会社に編入)傘下入り)であった。これまで分譲マンションを制覇したタカラスタンダードは1人勝ちの様相から、価格を合わせられないクリナップはいち早く分譲マンションを撤退、リフォーム分野へ活路を見出した経緯もある。
しかし、分譲マンションが、改正建築基準法によりズッコケ、サブプライムローン問題の進行およびリーマンショック後は、分譲も投資用もマンションブームは奈落の底に陥り、同社も決算数値が利益は出しているものの芳しくない。しかし業界における優位性は動かず、豊富な自己資本1,150億83百万円、同65.1%にはゆとりすら見られる。
09年3月期連結売上高1,501億86百万円、当期利益19億27百万円。
 
 こうしたタカラスタンダードには、ミカドを助けることなど当初から毛頭なかったものと推察され、おいしいとこ取りだけを模索したタカラスタンダードであった。ミカドを、今でもタカラスタンダードは有力なスポンサー候補と言わしめさせるほど、弱さに付け込んだのである。
 いつも泣かされるのは一般債権者である。
 
<ミカド民事再生代理人によるミカド及び関連会社の財務内容>
(株)ミカド
 資産  帳簿価格 153億5,875万円
     清算価格   55億4,585万円
 負債  総負債額 146億8,284万円


(株)プロテック
 資産  帳簿価格 4億6,647万円
     清算価格   8,504万円
 負債  総負債額 4億7,924万円


(株)ナギテック
 資産  帳簿価格 8億4,170万円
     清算価格 2億4,918万円
 負債  総負債額 7億9,352万円

(株)チバテック
 資産  帳簿価格 4億1,233万円
     清算価格   2,476万円
 負債  総負債額 3億7,138万円
 
 
平成21年10月8日
各 位
会社名 タカラスタンダード株式会社
代表者 代表取締役社長 渡辺 岳夫
(コード番号7981 東証・大証第一部)
問合せ先 専務取締役 中嶋 新太郎
TEL:06-6962-1500)
株式会社ミカドとの販売に関する基本合意のお知らせ
当社は、平成21年10月8日開催の取締役会において、以下のとおり、株式会社ミカ
ド(以下「ミカド」という。)との間で販売に関する基本合意書の締結を行なうことを決議いたしましたのでお知らせします。
1.基本合意の理由、内容
昨年来の大幅な経済情勢の悪化を受け、住宅設備機器業界は新設住宅着工戸数の減
少やリフォーム需要の低迷により、熾烈な企業間競争を強いられており、今後も厳し
い経営環境が続くものと予測されています。
このような環境のもと、当社と同じく厨房事業分野に実績を持つミカドとの間で、
販売に関する基本合意を行い、両社が培ってきた販売市場に対して互いの販売力を結
集することで、一層の販売強化、売上増加を図ることといたしました。
内容は、当社がミカド製品の販売総代理店となり、ミカド製品の全ての供給をうけ、その販売を全面的に行なうものであります。また、販売ネットワークの有効活用のため、ミカドの販売拠点は当社営業所、ショールームに統合する予定です。その他、物流の統合など経営の効率化を目指して、今後、具体的な協議を進めてまいります。尚、本基本合意においては、資本提携はありません
2.株式会社ミカドの概要
(1)商 号 株式会社 ミカド
(2)所在地 大阪市北区大淀南一丁目10番9号
(3)代表者 代表取締役社長 高田幸治
(4)主な事業内容 住宅設備機器の製造・販売
(5)設立年月日 昭和60年3月30日
(6)資本金 460百万円
(7)大株主及び持株比率 雄知商事株式会社 27.6%
(2009 年3 月31 日現在) 高田幸治 20.0%
ミカド従業員持株会 11.2%
(8)経営成績(単体) 売上高 31,225 百万円
(2009 年3 月期) 営業利益 △1,321 百万円
経常利益 △1,361 百万円
当期純利益 △832 百万円
(9)当社との関係 当社との間に資本関係・人的関係・取引関係はありません。
3.日程
平成21年10月8日当社取締役会決議
平成21年10月8日販売に関する基本合意書の締結
(合意内容の実施は、準備が整い次第、順次実行してまいります。)
4.今後の見通し
本基本合意は、売上高の増加をはじめとして当社企業価値の向上に資するものと判
しておりますが、今年度の業績に与える影響については現在精査中であり、判明次
第、公表してまいります。
以上
 
 
平成21年10月8日
代表取締役社長
髙 田 幸 治
タカラスタンダード株式会社との販売に関する基本合意のお知らせ
 当社は、下記のとおりタカラスタンダード株式会社(以下「タカラスタンダード」という)との間で販売に関する基本合意書の締結を行いましたのでお知らせいたします。
 国内の経済情勢は、昨年来の世界経済危機の影響を受け、企業収益が大幅に悪化し、設備投資の抑制、雇用情勢の悪化が顕著となり、住宅設備機器業界におきましても新設住宅着工戸数の減少など極めて厳しい状況で推移しています。
 このような状況の中、当社と同じく家庭用住宅設備機器の専業メーカーであり、業界に確固たる地位を築いているタカラスタンダードとの間で販売に関する基本合意にいたりました。
 当社の販売部門をタカラスタンダードに移管し、当社はミカドブランドキッチンの製造メーカーとして製造製品全てをタカラスタンダードに販売するものであります。
 当社の営業所、ショールームは、原則としてタカラスタンダードの営業所、ショールームに統合する予定であり、その他詳細な内容につきましては、今後両社で検討を重ねてまいります。
以上
 
[ 2010年1月 4日 ]
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