アイコン 家賃保証制度の限界と問題点

<一括借上および家賃保証制度の限界>
一括借上方式は、麻薬である。人口の少子化傾向は進行し続け、賃貸住戸の将来の入居予備軍が減っている。ここ7年間くらいは、派遣業法の改定で、安賃金の労働者が製造されたため、低賃金と切り捨て不安から結婚どころではなく、そうした人たちの多くが1ルームに単身入居して、入居率を押し上げてきた。しかし、派遣制度も見直しがかけられており、婚活もブーム。

不動産ミニバブルで、和製ハゲタカどもが投資用の1Rマンションを呆れるほど建設してきたことから、新築1Rの入居率は極端に悪化しているのが現実である。

大東建託では、一括借上戸数が膨大なため、そうした影響をまだ多くは受けていないが、レオパレスでは既に深刻な状態に突入している。
両社とも自社建築、利回りを前提に、百姓さんや地元資産家に投資させ、膨大な建築利益を出してきた。しかし、建築の売上高が減じて建築利益が減りだすと、借上保証とのバランスが崩れてくる。一方で入居率も減じることが想定され、そうした事態が続けば、家賃保証制度は、崩壊の危機に直面する。
九州産業大学近隣のIRマンションは、古ければ(建齢15年以上)1万円台の家賃から入居できる。そこまで福岡では、新築1Rマンションが建ち過ぎ、競合から家賃が下がっている。当然利回りは悪化するが、一括借上制度導入会社や家賃保証会社は利回りから値が下げられず、空室のままとなる。安く入居させてもそうした会社の利回りは悪化するだけとなる。
 
福岡で破綻した不動産投資ファンドへの売却不動産を開発していた不動産会社D社も、リーマンショック前後から不動産の売却が殆ど凍結(購入予定社が買わずに逃げ出した)され、一方売却した賃貸マンション等の家賃保証に追われ、バランスを崩し破綻した(原因はほかにも完成建物の建築代金が決済できなかったこともあるが)。ビジネスモデルが崩れていた。
 
<事例、レオパレス>
レオパレスの連結決算状況推移
連結/百万円
063
073
083
093
103期予
売上高
465,386
631,608
672,973
733,235
624,800
経常利益
44,151
73,002
60,847
46,785
-28,200
当期純損益
-16,582
37,358
342
9,951
-33,300
純資産額
133,622
185,784
170,155
146,442
-35,100
     営業利益段階から赤字になっているところが問題。
 
<レオパレスの今第③四半期の決算説明>
〔賃貸事業〕
当社グループのもう一方のコア部門である賃貸事業は、管理戸数が当第3四半期末539千戸(前期末比32千戸増)となった。入居率は期中平均81.9%前年同期比7.2ポイントダウン)となった。これは前年度後半の急激な景気後退以降、法人契約を中心に想定外の大量退室が発生、入居率の回復遅れが続いていることによるものである。また、賃貸環境の急変に伴い入居率が低下していることから、将来の空室損失の発生に備えるための空室損失引当金が増加している。その結果、売上高は2,558億99百万円(前年同期比0.3%減)、営業損失は、空室損失引当金繰入額93億26百万円の計上等により、303億21百万円(前年同期は営業利益25億27百万円)となった。また、効率性を高めるため、店舗数は前期末比98店舗減少の193店舗としたとしている。
〔建築事業〕
レオパレスの第③四半期の売上高は、1,500億9百万円(前年同期比25.1%減)、営業利益は172億84百万円(前年同期比48.8%減)となったとしている。
[ 2010年2月25日 ]
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