アイコン 口蹄疫 媒介生物 ウイルス生存期間 貿易問題

口蹄疫は、感染した1匹の豚は1日に4億個のウイルス粒子を生産しまき散らし、10粒子で牛を感染させることができるとされる感染力の強力なウイルス。
偶蹄目(豚、牛、水牛、山羊、羊、鹿、猪、カモシカ、など蹄が二つに割れている動物)およびハリネズミ、ゾウなどが感染する口蹄疫ウイルスによる感染症であるが、偶蹄目等の動物のほか、ウィルスの媒介は、野鳥、犬、猫、ネズミは口蹄疫に感受性はなく感染しないが、ウイルスを運ぶ可能性があり、移動制限を受ける。また人もその可能性があり、服などに付着してウイルスを撒き散らす可能性もある。

韓国では、家畜を診察した獣医が、極小の口蹄疫ウイルスを撒き散らした可能性も報告されている。
病原体が付着した塵により空気感染もする。飼料も感染源となり、ワラに付着した口蹄疫ウイルスは夏では4週間、冬では9週間、フスマでは20週間生存すると言われており、稲藁や麦藁に付着して入ってくる可能性も危惧されている。
水疱が破裂した際に出たウイルスや糞便中のウイルスが塵と共に風に乗るなどして陸上では65km、海上では250km以上移動する報告もある。イギリスではドーバー海峡を渡りノルマンディ地方で発生、デンマークからスウェーデンに渡り発生した例もある。 

対策<消毒薬>
4%炭酸ナトリウム液(別名:4%炭酸ソーダ液)
消石灰
口蹄疫ウイルスに効果があるとされている消毒薬
クリンナップA 400倍(希釈倍率)
ヨウ素系消毒薬ファインホール400倍
バイオシッド30 1,000倍
アンテックビルコンS 2,000倍
塩素系消毒薬クレンテ2,000倍
スミクロール1,000倍
アルデヒド系消毒薬グルタクリーン800倍
複合消毒薬アリバンド400倍
NaOH 添加消毒薬クリアキル-100(NaOH 添加) 2,000倍

<江華島の口蹄疫>
韓国で1月口蹄疫が発生したのはA型で既に終結、ところが3月に江華島で発生したのはO型で宮崎県と同型。中国と台湾はワクチンを打っているが、打っていない家畜から0型の口蹄疫が発生している。両国では口蹄疫が発生しても殆どの家畜にワクチンを打っているため拡大しない。韓国はワクチンを打っていないため、対応をすばやく行い、一定区域内の家畜を緊急殺処分している。ワクチンを打つことは大きな貿易問題が浮上してくる。

<貿易問題>
 口蹄疫のワクチンを打っている国は、口蹄疫の汚染国とされ、家畜肉類の輸出ができない。日本の家畜肉の輸入は、アメリカやオーストラリアなどからが圧倒しているが、世界で一番価格が安いのは、南アメリカ(ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ・チリ)であり、そうした国からの輸入を、日本は口蹄疫の正常国としてこれまで輸入を認めてこなかった。
しかし、日本が国内家畜全頭にワクチンを打った場合、口蹄疫汚染国となり、輸出ができないことから、南アメリカから輸入せざる得なくなるという。そうすれば、日本の家畜生産農家は大打撃を受け壊滅状態になる。一刻も早く汚染国を解除するため、宮崎ではワクチンを打ち何十万頭も殺処分しているのである。
1頭目の発生から20日間の空白があり、県や国の対応が遅かったばかりに、宮崎県の家畜は壊滅状態となっている。韓国の修学旅行生が、日本の家畜農家の見学を申し入れたが、韓国では江華島で口蹄疫が発生しており、日本の家畜農家が見学を断ったという報道がなされていた。宮崎の家畜農家全体にそうした危機意識が足りなかったのかもしれない。
参考及び取材先:ウィキペグ、農水省、動物衛生研究所、家畜衛生保健所
 昨年は新型インフル、今年は口蹄疫、来年は・・・。いよいよミクロ生物との戦いが・・
 

[ 2010年6月16日 ]
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