アイコン ㈱ビルド/債権者判明  大内田建設施工物件売れず

分譲マンション開発の㈱ビルド(福岡市中央区大名2-9-35、代表:野津原誠彦)は、8月31日事業停止して自己破産申請していたが、債権者が判明した。破産管財人には山本紀夫弁護士(電話:092-714-0707)が選任されている。負債額は約8億円。 なお、債権額は申請書に基づくものであり、今後変動する。

債権者
債権額/千円
大内田建設㈱
577,629
西日本シティ銀行
77,336
㈱第一ゼネラルサービス
73,035
㈱ブレインアーツ
13,165
700万円以上

 同社の破綻は、鹿児島市加治屋町で開発した分譲マンション「ファンテージ加治屋町レジスト」(施行:大内田建設㈱、総戸数:51戸)が、本年3月竣工したものの、何故かまったく売れず(5月時点で3戸の移転登記)、行き詰ったものである。
元々同社は分譲マンションの販売代理業者であり、自己資本にも乏しく、開発物件はゼネコン等との共同開発物件が多かった。
破綻した丸美とも、大分市でコラボ開発していたが、丸美破綻で施工会社の九鉄工業が、施工代金の弁済分として開発中の物件を取得、同社が販売代理を行うことで決着して完成したが、なかなか売れず、利益も殆ど取れず苦労した話が伝わっていた。
代表の野津原氏は、鹿児島は昔から地の利があり、また過去販売代理も含め実績も積んでおり、今回の加治屋町での開発の不人気はまさかまさかであったと思われる。
同社は、大内田建設への建築代金の支払や土地取得の借入先と思われる第一ゼネラルサービスへの返済が滞ってしまった。
そうした間に大内田建設が、7月25日福岡県から建設業の登録を抹消され、その後自己破産に至り、今後管財人により同社に債権回収がはかられる予定であった。
一方の大口債権者である第一ゼネラルサービスは、「ファンテージ加治屋町レジスト」の物件に担保設定して保全していた。
同社は「ファンテージ加治屋町レジスト」の物件(残の約48戸分)を広島の不動産会社(株)日本アイコムに8月になり一括売却、当然3掛・4掛の売却となったようだが、その売却代金は第一ゼネラルサービスの支払に充てられ(担保権の抹消も必要なことから)ようである。同社は売却後負債だけが残り、何もなくなっていた。

[ 2010年9月16日 ]
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