建設業界では、官庁工事や民間工事が少なくなるなか競争激化もあり、元請の安値受注から下請への安値発注となり、以前より協力業者の結束も弱まっている。そうしたことから、元請業者としての現場での権威も喪失しており、現場も一枚岩で動かいていない。現場監督も、世代交代でやかましく協力業者を基本に忠実に業務遂行させる力量にも不足している現場監督も多くなっている。協力業者も基本を忠実に業務遂行することをせず、そうした緩みから事故が多発しているものと思われる。

対策としては、元請会社にあっては、現場監督・従業員・下請作業員に対して、現場の安全のため「基本を忠実に守らせる安全教育」を事故例などを用いて実施することが望まれる。
その上で現場では監督が、朝礼などで口酸っぱくなるまで安全と工事の基本忠実実行を言い続けるしかない。監督が現場の部屋に閉じこもっていたり、朝礼もしていなかったら言外である。現場が日頃から整理整頓清掃されているところでの事故は非常に少ない。

以前、鹿島の建築現場で、建物内で作業する者は全員、安全帯を付けさせられたりしていたが、現場を知らなすぎる現場監督も困る。しかし、その思いは通じ、200戸のマンション工事は事故なく予定通り完了した。当然といえば当然であるが、その朝礼は体操から始まりうるさ過ぎるほど厳格であった。今では体操をしている現場も少なくなっているようであるが・・・。

死亡及び負傷事故での指名停止処分20件、配管・配線切断8件となっている。