アイコン 有機ELを安価な炭素化合物で開発成功/九大安達千波矢教授グループ

安達千波矢教授九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(センター長:安達千波矢教授/専門分野:有機半導体物性)は22日、携帯電話やテレビのディスプレーに使用される有機ELで、新たな発光素材を開発したと発表した。
有機ELディスプレイは、既にソニーなどで市販化されているが、これまでの有機ELの発光素材として「蛍光物質」が使用されており、発光効率(電流量当たりの光量)が25%と低いのが欠点。また、発光効率100%の「リン光物質」も注目されているものの、原材料にイリジウムや白金など高価な貴金属を用いるため、製造コストが高くなるのが最大の難点。

同センターでは、これらの欠点を踏まえ、炭素化合物で作った発光素材の分子の骨格を操作して電子状態を変化させ、発光効率を上げる特殊な分子構造を発見。貴金属を使用せず、発光効率39%を得る新素材を開発した。
製造コストはリン光物質の約1割とされ、省電力にもつながる。今後、さらに改良を続け、新素材を発光効率100%に近づける計画である。早ければ5~6年で、大型有機ELディスプレーや照明の実用化が可能といい、微細な識別ができる大型有機ELディスプレイの開発が待ち望まれるところである。

 安達千波矢教授(有機半導体物性)は「新素材は、価格競争力のある有機ELの製造への貢献が期待できる。次世代の有機ELの展開に大きな道筋が付いた」と述べている。

安達千波矢教授とチームは、新しい有機半導体材料を研究しており、有機半導体材料は無限の経済的価値を生む産業の米としている。次世代の有機エレクトロニクスを切り拓き、日本が当該分野で世界をリードし続けられるよう、全力を尽くすと決意している。その一環として有機ELの新素材を開発したものである。

既に有機ELを商品化しているソニーがあり、ぜひともソニーも当研究の開発に乗ってもらい(資金をいっぱい出してもらい)、当新素材による大型ディスプレーを早期に商品化してもらいたいものである。
 

[ 2011年2月24日 ]
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