今期以降は、東北大震災の復興工事が本格化、総合力で勝るスーパーゼネコンの受注の優位性は大きく、復興工事を中心に受注環境はよくなると思われる。
民間工事も分譲マンション等が底離れしつつあったことから、一時的な震災による発注や計画の延期はあったとしても、回復のトレンドに変化はないと思われる。
　しかし、マンション等集合住宅以外の民間工事は、工場等の新築設備投資は、自動車産業や集積回路等の電子部品産業は、地震による被害を受け、共に業績を悪化させることから、受注環境は逆に悪化する。

　東日本にあって復興特需はあるにしろ、景気全体が前に向く政策を打ち出さなければ景気回復は図れず、官庁工事が減るなか、民間工事も先行きの明るさはない。また、震災復興資金捻出のため、西日本や九州へお金が回らなくなる恐れすらある。今回の巨大地震により、多くの輸出関連企業が、円高や電力問題・コスト面から東南アジアへの工場移転を加速化させる恐れもある。