アイコン 欠陥マンション大京「京町」の建替における東亜建設工業の今期業績試算

同社の今期業績予想は、下記の通り経常利益21億円、当期利益11億円としている。同社の今期第一四半期の決算で見る限り、総費用17億円以上に上ると思われるライオンズマンション京町(72戸、川崎市)の欠陥マンション問題から生じた建替えに対する保全措置(引当もしくは特損)は取られておらず、第2四半期に業績に反映されてくるものと思われる。

大震災によりはからずして露見した欠陥マンションについては、住民側と販売元の大京・元受工事会社の東亜建設工業で話し合いが付き、建替えることで決着、引越し費用等含めた費用は大京・東亜建設工業が持つことになっている(東亜は下請けに丸投げしていた。その下請けも現在では会社分割などで霧散霧消)。
当然大京に瑕疵(販売主としての責任はある)はなく、同社の負担になるものと思われる。大京の親会社はオリックスであり、過去のように譲歩するような会社ではない。
同社の今期の業績予想は、売上高1,510億円、経常21億円、当期利益11億円となっている。建替費用が16億6千万円とされているが、1戸当りの単価からみれば2,305万円であり、解体費用を入れてもかなり高いように思われる。原価は2割安のところであろうが、14億円あまりの特損が生じることになる。そうすれば、何かウルトラCにより特別益を捻出して、最終利益を予想通りに持ってくるか、何もしなければ、2桁台の利益を大きく割り込んでしまうことが考えられる。
旧浅野系のマリコンだけあって財務内容に問題はない。復興需要では、同社はマリコンとして大きな恩恵を被ろう、しかし目先は受注減やこうした事案に悩まされている。

なお、同社は前期末に完成工事補償引当金(完成工事等に係る瑕疵担保の費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高等に対する将来の見積補償額に基づいて計上)を3億73百万円、及び、工事損失引当金(受注工事の将来の損失に備えるため、工事損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることのできる工事について、損失見込相当額を個別に見積り、同額を引当計上)17億92百万円計上しているが、前々期より少なくなっており、当問題により、今期決算で取り崩しても減額することはできないと思われる。

当時(バブル崩壊から平成13年頃まで? )東亜建設工業が元請した建物のオーナーは、今回の欠陥住宅を建てた会社が下請けしていなかったチェックしておく必要もあろう。
 

東亜建設工業の業績推移
連結/百万円
2009/3期
10/3期
11/3期
12/3期予
売上高
205,978
190,301
164,772
151,000
営業利益
3,658
3,999
5,774
2,900
経常利益
2,442
3,111
4,356
2,100
当期利益
1,075
1,232
1,411
1,100
総資産
192,350
194,913
169,103
 
自己資本
58,462
59,836
61,220
 
資本金
18,976
18,976
18,976
 
有利子負債
39,042
35,896
30,316
 
自己資本率
30.40%
30.70%
36.20%
 

 
[ 2011年8月30日 ]
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