(株)イワサキ/自己破産へ (神崎郡)神河工場本格稼動またず
アルミの製鋼用脱酸材製造予定の(株)イワサキ(兵庫県神戸市中央区小野柄通5-1-27、代表:藤本彰一)は10月4日事業停止、事後処理を小野健二弁護士(電話06-6222-5678)に一任して、自己破産申請の準備に入った。負債額は約7億円。
同社は、昭和46年1月創業の土木業者はであったが、官庁工事が減少する中、事業転換を図るべく、飲料用アルミ缶から不純物を除去、再成型して製鋼用脱酸材にするアルミ缶再生事業に注力してきた。
平成22年4月、日刊工業新聞には次のように紹介されていた。
イワサキは、アルミ缶を原料に製鋼用脱酸材を製造する事業を全国展開する。このほど持ち株会社「アールミナール ホールディングス(ANH)」を設立。まずイワサキがANH子会社となり、6月中旬に兵庫県神崎郡神河町で量産工場を稼働させる。さらにANH傘下に子会社を順次設立。第2、第3の工場を展開する。生産した脱酸材は日本および韓国の大手製鉄会社に供給する。
イワサキは工業炉メーカーのチサキなどと共同で、廃アルミ缶を加熱して缶内残留物や塗料などを分離し純度96%程度のアルミに再生する、乾留還元加熱処理法(アールミナール製法)を開発した。アルミ缶を溶融して再生する既存製法と比べて製造コストを15%程度低減できる。同社は新技術で生産した再生アルミを破砕、圧縮固化してアルミブリケットに成型し、製鋼工程で必要な脱酸材として供給する。・・・以上。
当工場には、財団法人からの助成金なども含め数億円が投じられた。しかし、新会社の出資各社と資金的なトラブルが発生、また、試作品が顧客からのオーダーレベルに達せず、生産設備の見直しが必要となった。
こうしたことから、新たな資金調達先を模索したものの見つからず、新工場は本格稼動しないまま今回の事態に至った。
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