アイコン 悠香「茶のしずく石鹸」/アレルギー発症は1500人 集団訴訟へ マスコミにも問題あり

全国で約4,650万個(客数430万人)が販売され、アレルギー問題を引き起こした「茶のしずく石鹸」。この石けんが原因で小麦アレルギーを発症した人が、厚生労働省の調査で1,567人に上ることがわかった。
患者らは4月、石けんの製造販売会社などを相手取り、損害賠償の集団訴訟を起こすことにしている。

国立病院機構相模原病院の福冨友馬医師は、

「ほとんどの患者が、発症の初めは自分が小麦アレルギーだと気づいていない」と述べ、小麦アレルギーを発症した患者が女性ばかりで、同じ「茶のしずく石鹸」を使っていたことから、この石けんに含まれる小麦成分の「グルパール19S」がアレルギー源であることを突き止めている。
また、この成分が、洗顔などによって目や皮膚の粘膜を通じて体内に侵入し、小麦を含んだパンなどを食べることで、アレルギー症状が引き起こされるというが、不明な点もまだ多く、「石鹸使用をやめると、血液の小麦アレルギーの数値が、だんだん下がってくる方が多い。それが完全になくなるのがどのくらいかかるのか、どの患者もみんな良くなっていくのか、まだ分からない点が多い」としている。

「茶のしずく石鹸」の被害者は全国に広がり、現在、20以上の弁護団が結成されている。被害者らは、「小麦アレルギーになり重大な損害を受けた」として、来月(4月)、「悠香」などを相手取り損害賠償を求める裁判を一斉に起こすことにしている。

この問題は、第一義には当然、販売した「悠香」にあるが、小麦アレルギーの発症原因は、事前には医学的にも殆どわかっておらず、医薬部外品として厚労省もその小麦成分を含めて認めていた。
しかし、こうした問題が発覚した時点で対策を取っていたら、これほど多くの被害者は出なかったと思われる。
それは、

1、<悠香の問題>
「悠香」に苦情が寄せられた時、「悠香」は調査した上で、小麦アレルギーを認識、一昨年8月頃に厚労省に対して、医薬部外品の成分変更の申請をなし、12月7日から小麦成分を含まない「茶のしずく石鹸」の販売に切り替えている。
苦情が寄せられ始めた時に、購入者が使用している旧「茶のしずく石鹸」を回収すればよかったにもかかわらず、企業として代参品がなければ事業継続もできず、12月7日になってやっと「悠香」は、こうした問題が一部にあるとHP上で報告した。
本格的に旧「茶のしずく石鹸」を回収しだしたのは昨年5月20日からである。

  大々的にTV放映されていた大地真央の「茶のしずく石鹸」CMも昨年の2月頃にはなくなっていた。

2、<消費者庁の大問題>
  民主党政権になり、福島社民党党首が消費者庁担当大臣になった。消費者に関することは何でもかんでも消費者庁が取り仕切り、他省庁がそれまでやっていた分まで取り上げ、新しく組織された組織にいろんな分野の仕事が大量に入ってきた。素人ばかりの現場は対応に追われ、結果的に事の重大性すら見出せなかった。

  悠香がHPで一昨年12月7日に発表する以前の10月に、厚労省が「悠香」とともに消費者庁に対し、「茶のしずく石鹸」に、こうしたアレルギー問題があるとの注意喚起の書面を発している。
しかし、当の消費者庁担当者は、書類の山に積み上げ失念、何も消費者庁から発表されなかった。そうしたことから、マスコミも取り上げず、「あきらめないで」のTV-CMは続けられた。

昨年5月になるとアレルギー学会で取り上げられ問題となり、そうした副作用事実が厚労省により5月20日、「悠香」が自主回収することも含めて発表された。

3、<厚労省の責任>
  当アレルギー問題をいち早く情報取得したのは、客からの「悠香」への問題提起、消費者庁傘下の国民生活センターへの「茶のしずく石鹸」使用客からの問題指摘、厚労省へは医者・学会から通知を受けている。
厚労省は昨年5月20日に発表するくらいだったら、一昨年10月に自ら発表すべきであった。小麦アレルギーの食者の発生率は、以前から0.05%くらいとされている。多くの化粧品にも保湿剤として使用され、厚労省も小麦成分を認可してきた経緯があった。 
厚労省は一応、一昨年10月、消費者庁と悠香に通知して、原因究明を先行させたと思われる。しかし、医薬部外品であり、消費者に喚起する記者発表の管轄は元々厚労省にあった。しかも通知したにもかかわらず消費者庁側から何ら発表されないことを、自らの発表領域ではないとしてやり過ごした大きな責任問題がある。

4、<マスコミ・メディアの責任>「報道しない自由」
「悠香」の「茶のしずく石鹸問題」は、一昨年12月7日同社のHPで、厚労省の指示に従い「一部の人に問題があった」と発表されたことで公にされた。
その時、マスメディアが報道していたら、消費者には「悠香」がリコールする半年前(昨年5月20日)までに周知できていた。
また、その時にTV-CMを中止したらば、購入者の被害も減っていたはずである。しかし、「あきらめないで」のTV-CMが昨年2月頃にTV画面から消えたものの、マスメディアは事件の真相を発表しなかった。 
逆に言えば、膨大な広告料の支払いを受けたTV-CMを中止、その重要性を強く認識していたことになる。
それでも、報道機関が「茶のしずく石鹸問題」を報道しなかったのは、上お得意さまであったことにほかならない。
消費者に対して「報道しない自由」を優先し、「茶のしずく石鹸」の消費者の被害を大きくしたと言える。マスメディアにとって消費者と広告主を天秤にはかれば、広告主様が大事であることは、東電問題でも明らかである。

こうした問題のマスコミの取り組みは、官庁が発表しない限り報道していない事実が浮かび上がる。そこにマスコミの限界があり、国民=消費者にとって大事な情報もそれまで隠蔽し続ける。
 特に日本の場合は、新聞社とTV局の経営が一体化しており、報道の自由に限界がある。

今後、第3極のインターネットTVに期待が持てようが、所詮金次第というのが現実だろう。

日本の歪んだマスコミ体質の問題でもある。

[ 2012年3月24日 ]
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