アイコン AIJにやっと証取委の強制調査が入った  年金基金の委託金の相違は?

2008年以降、証取委がAIJの実質傘下であるアイティーエム証券に2度も検査に入り、仲良しこよしで何の疑いも持たず検査を終えているが、こんな証取委が強制調査して大丈夫だろうかと思ってしまう・・・。
その証取委によると、AIJの預かり資産額は昨年3月期2,090億円と報告されていたが、実際は1,458億円、不足分は営業のための水増し分であったという。

AIJは傘下の管理会社を通して、運用委託を受けた資金をデリバティブ商品へ投資、その挙句大失敗、1,200億円を消失させた。AIJの純資産額は251億円、うち、現金化できるのは現金など81億円。残りは非上場会社などへ出資金で、価値があるやらないやら把握できないしろもの。運用委託基金から、解約客が現れると社保庁OBルートを活用して新規客を勧誘、返済金を捻出していたそうである。

金融庁・証取委の失態と責任問題は、アメリカの当局から、AIJはマネーロンダリングの疑いがあると通告されていたにもかかわらず動かず、動いたとしても傘下証券会社にはろくに調べもせず検査を終えるという仲良しこよし。(あまりにもデタラメな投資ぶりにアメリカ当局はヤクザ資金と勘違いしたのであろう)
更に、日本の格付け機関から、異常な高配当に異論が出て、その情報提供を受けたにもかかわらず動かず、田舎の小物のインサイダー取引ばかり取り締まり、実績作りに膨大な時間を費やしてきた。

AIJも最初から金融庁の盲点を突き、AIJ投資顧問の管理会社をタックスへブン地のバージン諸島に置いた。更に資金は同じくタックスへブン地のケイマンのファンド会社や香港の金融機関へ流れ、最終的にシンガポールの金融会社で、デリバティブ取引や未上場会社などの出資などを行っていたのであった。騙しテクニックのグローバル化を実践していた
アイティーエム証券は、浅川が唾を付けた年金基金に対して、営業をかけ、また運用報告書を年金基金に対して作成し送付していた。

証取委にこうした複雑怪奇な資金の流れなど解明できる能力もなく、調査で提供される全部専門用語の英文書類を理解する能力もなく、裏づけ調査する以前までも行き着かず、仲良しこよしになることでお茶を濁していたのであった。

厚労省の問題では、勤労者が払った企業年金の膨大な記載漏れ事件を引き起こし廃庁となった社保庁のド官僚OBどもが、AIJの年金基金に対する営業勧誘に一役も二役加担していた。
社保庁OBたちは、大量に年金基金に天下っており、AIJ浅川と社保庁OBで天下り先を退任して年金コンサルとして独立していたOBを囲い込み、年金基金へ天下りした大量の社保庁OBたちを金の成る木として、野村證券(浅川)仕込みの接待攻勢をかけ、90基金以上の年金基金を落とし、運用していた。社保庁OBたちの天下り人脈がこうした大問題を引き起こしたのである。
天下りは撲滅させよ。特に高級官僚は高級とりで高額な退職金も貰っており、更に企業などに天下ってろくでもない動きしかしていない。企業も価値のない人間など雇わない。

日経新聞子会社の愚かさ
日経新聞子会社の「格付投資情報センター」(R&I、東京都中央区)が発行する情報誌「年金情報」が、誌上アンケートで運用実績の顧客満足度などを示す「アクティブ運用能力の定量評価」で首位を獲得した記事を平成19年12月号に掲載。
更に、20年11月号では運用会社の資産運用や情報開示面などを合わせた「全体評価」のアンケートでも1位となった記事を掲載していた。

当然こうした記事が年金基金に対する営業に用いられたり、基金顧客から追加申し込みを受けたりしたことは疑いようがない。
当「年金情報」の永森編集長は「民法の注意義務など重い責任規定に基づき、運用の中身を確認し、資産を委託するのはあくまで各基金の責任」と主張。その一方で、「ランキングの記事がAIJへの委託に影響を与えたとすれば遺憾だ」と開き直っている。

厚労省調査と証取委の年金委託運用資金の違い
厚労省は2月28日、各基金に対して一斉にFAX調査を行い、84基金がAIJと取引し、残高は1,852億65百万円であったと各年金基金ごとに掲載、集計した数字を発表していた。
各基金が委託した資金の運用利益を受け取らず、加算して再投資していたとしても、そこまでの開きにはならず、厚労省のAIJに対する取引残は一体何だったのだろうか。謎だらけである。

浅川一派が、損失金に紛れ込ませてタンマリ隠していることだけは間違いなさそうであるが・・・。

 

 

 

[ 2012年3月24日 ]
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