アイコン 追、追報 アジア特殊製鋼(株)/自己破産申請  造船業界付き

寿工業(呉市)とポスコ(韓国、旧浦項総合製鉄)の合弁会社で造船などに用いる高強度鍛造用鋼塊製造電炉のアジア特殊製鋼(株)(福岡県北九州市若松区向 洋町43-1、代表:奥原征一郎)は4月6日、申請処理を高木裕康弁護士(電話03-3213-1081)ほかに一任して、福岡地裁小倉支部へ自己破産を 申請した。
負債額は約205億円。

同社は、リーマン・ショック前に合弁事業を計画、リーマン・ショックにより造船業界は過剰船台に陥り、特に韓国の造船業界は、この間規模を倍増させていたことから、その影響を大きく受けていた。更にウォン安・円高で価格競争力も失したものとなっていた。
欧州経済の沈滞、中国経済の減速から、世界の輸送船会社の荷動きは大幅に鈍化しており、日本の三光汽船が負債額約1000億円を抱え、実質破綻に陥るなど、厳しい環境下にある。日本最大手海運会社日本郵船では、リーマン・ショック前と今期予想との売上高比較では▲30.4%減じている。
アジア特殊製鋼(株)が設立された平成19年7月には、既にサブプライムローン問題は発生しており、寿工業とポスコが、市場分析をせず工場建設に入ったことに最大の原因があると思われる。
今後心配されるのは、寿工業への影響であるが、出資金は別にしても、工場建設に伴う借入金の債務保証が、どうなっているのか心配されるところである。

工場施設は新品同様であるが、今後二束3文に買い叩かれよう。また、機械設備を中国もしくはポスコが引き取るにしても格安となろう。
債務保証をしているかどうか不明であるが(銀行の常識から考えられないが)、設備投資に対する債務保証負担額は膨大なものになるものと思料される。
日本のバブルは、日本だけの狂い咲きであったが、リーマン・ショックは、当時と比較にならないほど金融や経済がグローバル化し、世界規模でのショックであった。その影響は、未だ欧州金融・財政・経済を揺さぶり続けており、この間、世界経済が立ち直ることを期待して内需拡大へ駒を進めた中国では、過度なインフレを引き起こし、不動産価格の暴騰、大きな貧富格差・地域格差を生み出し、その修正から経済成長も鈍化している。
こうした世界経済の沈滞は、世界規模で荷動きが鈍化、海運会社が一番影響を受けており、当然大型船がダブついているのが現実である。
そうした中、造船業界はLNGなどの一部燃料輸送船などに限られ、造船大国の韓国・中国・日本の造船業界は試練の時を迎えている。
韓国造船業界は、今年第1四半期の造船3社の受注規模は、96億ドル(約7,950億円)だった。このうち、原油やガスの探査、試掘、生産、処理を行う海洋プラントの受注が68億ドル(約5,630億円)となり、全体の70%以上を占めている。昨年は造船3社の受注額494億ドル(約4兆900億円)のうち、プラント部門の割合が55%だったが、今年に入り大幅に拡大した。
昨年まで造船部門の割合が大きかった大宇造船海洋でも、プラント受注が年初来急増している。
 大宇造船海洋は、3月8日、国際石油開発帝石から20億ドル(約1,660億円)規模の原油浮体式生産貯蔵積み出し設備(FPSO)1基を受注するなど、第1四半期の受注全体の62%に当たる22億ドル(約1820億円)をプラント部門が占めた。
 
サムスン重工業も今年1月、国際石油開発帝石から27億ドル(約2240億円)規模の海洋ガス処理設備(CPF)を受注し、第1四半期の海洋プラント受注額が43億ドル(約3560億円)に達した。
現代重工業はノルウェーのホーグLNGから3億ドル(約250億円)規模の液化天然ガス貯蔵処理設備(LNG-FSRU)を受注するなど、造船よりプラント受注が多くなっている。
韓国勢は、国際石油開発帝石のプラント施設を国際的な入札により受注しており、ウォン安・円高を享受しての受注と思われる。
ところで、国際石油開発帝石の筆頭株主は経済産業省で33.6%を所有する(実質は40.68%)。日本の造船企業が苦労しているのに、何で韓国企業に発注するのであろうか。 
日本企業が落とせるようにいつもの談合をするとか、随意契約にすればいいものを・・・。

日本最大手の海運会社 日本郵船の業績と今期予想
連結/百万円
2008年3月期
2009年3月期
2010年3月期
2011年3月期
2012年3月期予
売上高
2,584,626
2,429,972
1,697,342
1,929,169
1,800,000
営業利益
202,073
144,914
-18,094
122,346
-19,000
経常利益
198,480
140,814
-30,445
114,165
-31,000
当期利益
114,139
56,151
-17,447
78,535
-26,000
12/3と08/3期の比較では、30.4%売上高が減少している。
 
[ 2012年4月 9日 ]
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