アイコン 追報:3Dソフトの㈱イーフロンティアの民事再生申請

プロトデザインやアニメ・映像開発用3Dソフトを扱うイーフロンティアは15日、東京地方裁判所に対し12日に行った民事再生手続開始の申立てが受理されたと下記のとおり発表した。

負債額は約23億5千万円。

初報:㈱イーフロンティアの民事再生申請

イーフロンティアは1999年に設立。「Shade」シリーズをはじめとした3DCG制作ソフトウェアを中心に音楽制作、動画編集ソフトウェアなどを手がけている。
同社によると、民事再生手続き後も従来通り営業を継続し、商品の受注や出荷、サポート業務などを手がけながら、事業再生を図る予定。
 
<M&Aなどによる事業拡大が裏目>
同社は、リーマン・ショック前まで、事業拡大に向けた国内外企業のM&Aを進めていたが、その後、一部子会社の清算の整理損に伴い2010年3月期決算で約13億円の債務超過に転落。
2013年7月には、事業の一部を関連会社に新設分割し事業のスリム化を進め、2014年3月期の年収入高は約28億円までダウンしていた。
最近は、円安による海外からの購入も減り収益悪化、11月中旬には(株)Shadeから「Shade3D」の販売代理店契約を解除されたことにより、資金繰りの見通しが立たなくなり、今回の措置となった。
 
イーフロンティアは2010年代に入って経営が悪化したため、スリム化を図るために2013年にイーフロンティア本体からShadeの開発を行う㈱Shade3Dが分離され、(株)イーフロンティアとの販売代理店契約を結ぶ形となっていた。下記のようにイーフロンティアとの販売代理店契約は2014年11月末をもって終了していた。
 
<Shadeの展開と特性>
Shadeシリーズ は、1986年の製品化以来20年以上の歴史を持つ。特に専門分野は設定されていないオールインワンソフトウェアであるが、しばしば建築パース制作、イラストレーション制作、教育機関での導入事例が取り上げられる。
2004年時点の古いデータによれば、正規ユーザ数は30万人超とされている。
姉妹ソフトウェアとして3D住宅デザインソフト『Shade ドリームハウス』(Shade Home Designから改称)、ならびに『機動戦士ガンダム』を題材にした『ガンダムバーチャルモデラープロ』(発売元バンダイ)などに展開していた。
ドリームハウスはShadeのような統合型3DCGソフトウェアではなく、Windows版のみであるが、互換性のあるファイルをやりとりできる。
バーチャルモデラーは、デフォルトで用意されているメカニックモデルにポーズを付けて1枚のCGを作るもので、形状の変更や新規作成の機能は省略されていたが、データに互換性があるためShadeでも扱うことが可能である。
 
<<吸収された子会社>>
イーフロンティアに吸収され、製品やサービスが引き継がれた子会社。
<アイフォー>
主力製品は『筆王』や『ラベル王』、『ホームページNinja』に代表されるユーティリティソフトの『Ninja』シリーズ、世界コンピュータ将棋選手権で毎年優勝争いを繰り広げる思考エンジンを搭載した『AI将棋』など。2007年に『筆王』をソースネクストに譲渡。
<フロンティアグルーヴ>
『AQUAZONE(アクアゾーン)』の開発と販売、および「洋ゲー」、オンラインゲームのパッケージ版の販売。主にエンターテイメント製品を取り扱っている。
<カメオインタラクティブ(旧社名はナニワ楽器)>
取扱製品は楽譜DTPソフトの『Finale』シリーズ、『Finale』シリーズ用楽譜データの『.musicsheet』(ドットミュージックシート)、自動作曲ソフトの『Band-in-a-Box』など。主に音楽関連製品の日本語化と販売、国内電子機器メーカーのハードウェア製品の卸売りを行っている。2006年にグループ会社のスタインバーグ・ジャパンを吸収合併した。
ほかにも、一時いっぱいの子会社があったのだろう。
 
 
民事再生手続開始の申立てに関するお知らせ
平成26年12月15日
株式会社イーフロンティア
代表取締役 安藤 健一
民事再生手続開始の申立てに関するお知らせ
拝啓
 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 株式会社イーフロンティアは2014年12月12日、東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い、受理されました。
 民事再生手続きとは、事業を継続して公平性・透明性を確保し、会社自身で事業を再生させる手続きです。従いまして、今後も弊社は、いままでどおり営業を継続して、商品の受注、出荷及びサポート業務等を従来どおり行って参ります。
 皆様には多大なご心配とご迷惑をお掛けするところとなりましたことを深くお詫び申し上げます。
 今後ともサービスを継続して、お客様へのサービス向上に全力で努めて参りますので、引き続きご愛顧のうえ皆様のご利用を心よりお願い申し上げます。
敬具
 
 
<(株)Shade3Dのリリース>(2014年11月25日)
株式会社Shade3D(代表取締役:笹渕正直)
イーフロンティアとの販売代理店契約の終了とShade 3D ver.15 販売開始の延期
ニュースリリース
株式会社イーフロンティアとの販売代理店契約の終了とShade 3D ver.15 販売開始の延期について
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、弊社は、株式会社イーフロンティアとの販売代理店契約を終了致しました。
この契約終了の対象製品は、Shade 3D シリーズの全製品(パッケージ版、ライセンス版、およびダウンロード版)です。
それに伴いまして、11月28日に発売を予定させて頂いておりました Shade 3D シリーズ製品の最新版、Shade 3D ver.15 の発売を延期させて頂くこととなりました。発売直前のご案内となってしまい、Shade 3D ver.15 の発売を心待ちしていらっしゃるお客様を始め関係各位には多大なご迷惑をお掛け致します事、心よりお詫び申し上げます。
新しい発売日につきましては、決定次第公式サイト(http://shade3d.jp)等を通じてご案内させて頂きます。
また、10月14日に始まりました Shade 3D ver.15 無償バージョンアップキャンペーンにつきましては、Shade 3D ver.15 の新しい発売日まで、そのまま継続させて頂きます。すでに、無償バージョンアップキャンペーン対象の Shade 3D ver.14 対象のをお買い上げ頂いたお客様にはもちろんのこと、本日以降に無償バージョンアップキャンペーン対象の Shade 3D ver.14 をご購入頂いたお客様にも、弊社にて責任を持って Shade 3D ver.15 に無償でバージョンアップさせて頂きます。 Shade 3D シリーズ製品のご使用をご検討中のお客様におかれましても、安心してお買い求め頂ければ幸いに存じます。無償バージョンアップキャンペーンの詳細につきましても、後日公式サイト内の専用ページ「Shade 3D ver.15 無償バージョンアップキャンペーンについて」(http://shade3d.jp/buy/15freevup.html)にて詳細をご案内させて頂きます。
10月14日以前に Shade 3D ver.14 をお持ちのお客様、および Shade 13 以前の古いバージョンをお持ちのお客様には別途有償バージョンアップをご用意させて頂きます。
有償バージョンアップの詳細につきましては、Shade 3D ver.15 の新しい発売日と一緒に公式サイト等を通じてご案内させて頂きます。
Shade 3Dシリーズ製品のご購入前のお問い合わせにつきましては、公式サイトの専用フォーム(http://shade3d.jp/support/contact/pre_purchase_contact.html)をご利用ください。
ビジネス・アカデミックライセンスのご購入を検討されている方、製品機能、仕様、見積り、購入方法などに関するお問い合わせに付きましては、専用フォーム(
http://shade3d.jp/support/contact/bizcontact.html)をご利用ください。
ご購入後のお問い合わせ(サポート)に付きましては、専用フォーム(
http://shade3d.jp/support/contact/post_purchase_contact.html)をご利用ください。これまで通りバージョンの新旧を問わず対応させて頂きます。
いずれも、ご回答までに少々お時間を頂戴することもあるかと思われますが、予めご了承ください。
何卒ご理解頂きますよう宜しくお願い申し上げます。
今後とも Shade3D 社製品のご愛顧をお願い申し上げます。
 
以上、
同社は主力販売品の一つのShadeシリーズの販売ができなくなっており、再生は大丈夫だろうか。
いま一つわからないのは、同社からShade3D事業を持って昨年分離独立した㈱Shade3Dは、独立後同社と販売代理契約以外に全く関係はなかったなかったのだろうか。
両社間の資本関係、役員人事関係、債権債務はどうなっていたのだろうか。分離独立する際に金銭的な価値の処理は行われていたのだろうか。
[ 2014年12月16日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索