アイコン ドローン 10年先には10兆円市場になる予測

 

無人飛行機「ドローン」今やメキシコの麻薬組織も麻薬運搬に利用する小型無人飛行機「ドローン」、先般はホワイトハウスに中国製「ドローン」が墜落して大問題となったこともあった。
今やドローンは、GPSにより飛行制御され、そのプログラミングにより、目的地への飛行から帰還までを飛行させることができる。
 「ドローン」は、エンジンを取り付けたものは長距離飛行が可能で、軍用機などでは偵察どころか爆撃まで行っている。しかし、ここで述べるのは民生用。

米調査会社ティール・グループは、2014年に年間64億ドル(約7600億円)規模のドローンの世界市場は、向こう10年間で2倍近い115億ドル(約1.4兆円)まで拡大し、その次の10年間で約910億ドル(約11兆円)に成長する見込みだと試算している。

<ヤマハ 無人ヘリコプターの先駆者>
こうした民生用ドローンの先駆者はヤマハ発動機だろう。農薬の空中散布などに無人ヘリコプターが利用されてきた。しかし、中国への輸出を日本政府が軍事転用の可能性があると何でもかんでも武器輸出三原則を盾に叩き、こうした分野の開発は大きく出遅れることになったともいえる。

武器輸出3原則(安全保障貿易管理)のリスト 2014年10月 
21ページ右上に「無人航空機等」と掲載されている。
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer

現在、ドローンの主体はドイツで開発された4軸以上であるが、今や特許知らずの中国製が世界を席巻している。しかし、充電式がほとんどでホビーの域を出ていない。
商用には、アマゾンやグーグルなどが開発に当たっており、アマゾンではすでに試験飛行を行っており、ロシアのピザ屋では実際、8軸ドローンが配達の試験飛行に成功している。
今後、蓄電技術が自動車業界ともども飛躍的に進歩することから、エンジンを無用とする民用の長距離飛行ドローンも現実化してくるものと見られる。

ロシアのDodo Pizza Deliveryのピザ配達模様
https://www.youtube.com/watch?v=5l22FmvEysA

<ヤマハ発動機>
ヤマハ発動機はドローン事業の拡大に意欲的。
同社は農水省から委託を受け、1987年に世界で初めて産業用無人ヘリを開発し、翌年から農業分野で本格的に販売を開始した先駆者。今では日本の水稲耕作地の約36%で、同社の無人ヘリが農薬を散布している。韓国や豪州にも投入し、国内外で約300機の年間販売実績がある。
すでに国内では存在感のある同社が、これから狙うのは米国。同国ではドローンの商業利用が国防上まだ禁止されているが、米国連邦航空局(FAA)は今年9月をめどに運航ルールの制定を目指している。柳社長は「米国市場が開放されれば、すごく(事業規模が)広がる」と期待する。
昨年5月には、戦闘機「F―14トムキャット」などで知られる米軍事大手ノースロップ・グラマンと提携している。
ワイナリーなどでの農薬散布はもとより、国境での監視、石油精製施設の警備など事業の「アイデアはいろいろある」と述べ、米国での事業拡大に強く期待を寄せている。
エンジンを自社開発しているヤマハ発は「ペイロード(積載重量)が大きい」(柳社長)のが強み。まずは実績のある農薬散布分野などに参入し、電動で動く軽量なドローンなどとの棲み分けも可能とみている。

 

産業用無人ヘリコプター「FAZER」の諸元
項目
仕様
製造型式
L30
性能
実用距離(目視範囲)
150mまで
制御システム
YACS
(YAMAHA Attitude Control System-Cruise control)
操作寸法
メインローター径
3,115mm
テールローター径
550mm
全長・全幅・全高
3,665mm・770mm・1,078mm
取扱重量 ※
70kg
エンジン
種類
4サイクル・2気筒水平対向
排気量
390cc
最高出力
19.1kw
始動方式
セルスターター式
燃料
レギュラーガソリン
積載
農薬散布量
24ℓ
 
 
<コマツ 人手不足解消、工事現場で活躍>
日本では、以前から無人建機が開発され、長崎・雲仙普賢岳の爆発後の溶岩流出地の整地作業に、丘陵地帯の土木作業に使用されてきた。ただ、リモコンによる作業だった。
日本国内でも多くの業界が、ドローンに商機を見い出している。建設業界では東日本大震災後の復興、老朽化したインフラ刷新など需要は旺盛なものの、人手不足の問題が深刻化している。 
工事現場での労働力不足を解消するため、建設機械大手のコマツは2月、ドローンを用いた新サービスを始めた。
通常は2人以上で行う現場の測量作業を、新サービスではドローンに搭載したカメラで上空から撮影し、画像をコンピュータに送信。地形の3次元(3D)データを作成するなどして自動化する。  
数ヶ月はかかる作業が10─15分程度で済むという。
その後、ICT建機と呼ばれる自動化されたブルドーザーなどがデータに基づく作業計画に沿って穴を掘ったりするため、熟練作業員でなくても簡単に操作できるという。
コマツは、米サンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業のスカイキャッチ製ドローンを今後数年間で約200機リースする計画。できるだけ早く新サービス関連売上高で100億円を目指し、ICT建機の導入数を現在の約350台から1~2年で1500台に増やす考え。
 

<セコム 防犯セキュリティ、インフラ点検、災害時に>
警備大手のセコムは、商業施設や工場、倉庫などでの防犯用ドローンの開発を進めており、3月中に販売する予定。
自動的に飛び立って敷地内に侵入した不審者を追跡し、撮影が可能という。同社によると、顧客からの問い合わせは増えており、ドローンへの関心は高まっているという。
  同社のドローン?は自動操縦型の飛行船となっている。
http://www.secom.co.jp/corporate/release/2014/nr_20141224.html

複写機のリコーも、自社のカメラを活用する1つの手段としてドローンで何かできないかをリサーチ中。カメラを搭載したドローンで、農作物の育成状態をモニターするという試みをやっているという。
ドローン分野での第一人者である千葉大学の野波健蔵特別教授は、日本ではインフラ点検や東京五輪などでのドローン活用が想定され「爆発的に普及していく」との見方を示している。
特に自然災害の多い日本で安全安心のために使うことが、1つの大きな市場になるとみている。

野波教授のサイト(動画もあり)
http://mec2.tm.chiba-u.jp/~nonami/research/mav/gal.html#wmv

<ルール作り、法整備が急務>
先述のようにホワイトハウスにドローンが墜落(実際は政府職員が深夜ドローンで遊び、制御不能になったドローンが不時着状態で見つかったものだった)したこともあり、法的な問題も多く抱えている。
先行する米国では、今年中に商業利用に向けた指針がまとまる見通しだが、日本政府も成長戦略の一環として規制緩和や法整備に向けた検討に入るとみられる。

ヤマハ発動機の関係者は、各社の参入でドローン市場が活性化することは喜ばしい。ただ、現在は登録や資格などの法制化も進んでいない。その中で参入企業が増えることに、多少の懸念はあるとも述べているという。
ドローンが人や建物との接触事故、軍事転用、無断撮影といったプライバシー侵害なども引き起こす可能性がある。
米国では、昨年来、ドローンがヘリコプターと接触するなどの事故が頻発。今年1月には、ホワイトハウスの敷地にドローンが墜落する騒ぎもあった。
日本政府の「ロボット革命実現会議」は1月、ドローンを含むロボットの技術開発や普及に向けて規制緩和や制度改革、ルール作りなどが必要などとする報告書をとりまとめた。
政府は、第3の矢である成長戦略の1つとしてロボットによる新たな産業革命を掲げており、後手後手のルール整備や規制緩和が議論されることになる。
現在の航空法では、航空機が有人であることが前提、無人機に関する細かい規制がない。

詳細な検討はこれからで、航空法改正ではドローンに認める飛行空域や高度などにルールを設けて安全面の確保を図るほか、遠隔操作のための新たな周波数帯割り当てなどを見込んで、電波法を見直すことなどが求められている。
現在利用されている電波帯は2種類とされ、セキュリティ面からこの2種類の電波に対して妨害電波を発した場合、こうしたドローンはリモコン式にしろ、GPS利用の自動操縦式にしろ制御不能になるという。だが、妨害電波の大きな電波障害の弊害が指摘されている。
以上、ロイターなど参照
 
何処へ飛んで行ったか不明の第3の矢、全国隅々にこの景気をと、ばら撒き続けられる公共投資であるまいなぁ。
こうした領域は既に欧米が大きくリードしており、日本は時間を絞って短期間に追いつき、各方面利用できる具体的な各種ドローンの開発と長時間可能な小型軽量で大容量の蓄電技術開発への研究開発投資が一層早める必要がある。
産学官の連携が必要だろうが、官はこうした連携させるチーム作りを早期に行い、後は規制緩和および大金を出すだけでよい。現状の自動車業界ばかり意識する官が出しゃばるとろくなことはない。
[ 2015年2月12日 ]
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