ブラザー 産業用プリンターの英ドミノ社 1,890億円で買収
ミシンからFAX・プリンターの複合機・精密工作機械など製造のブラザー工業は、事業分野の拡大を図るため、産業用のプリンターの製造で強みを持つイギリスの産業用の印刷機器メーカー、「ドミノ・プリンティング・サイエンス」社を1890億円で買収する計画を発表した。
ブラザー工業は、ドミノ社の全株式を取得する手続きを開始することで合意し、買収額は日本円にして約1,890億円に上る見通し。
英国ケンブリッジ州にある「ドミノ・プリンティング・サイエンス」社は、ペットボトルや食品などの商品パッケージにラベルや賞味期限などを印刷する産業用のプリンターを製造し、製品は世界140以上の国や地域で販売され、この分野で世界有数の企業という。
買収手続きは、早ければ今年6月下旬に完了するという。
ブラザー工業は、今回の買収で、事業分野の拡大を図ることで、さらなる成長を目指したいとしている。
以上、
ドミノ社が140以上の国と地域で販売しているその商圏がブラザーにとって最大の魅力だろう。
ブラザーの海外売上高比率は80%(14/3期売上高6,168億34百万円)だが、販売品目は、家庭用・工業ミシン、家庭・オフィス用のFAXとプリンター等のデジタル複合機・精密工作機械が主であり、精密工作機械がスマホ向けに好調。ドミノ社買収は事業拡大と販路拡大は同社にとって大きなプラスとなる。
ただ、両社の事業領域が異なり、相乗効果を早期に発揮することは困難かとも見られる。
プラザーは名古屋の企業だけあって、元々日本では斜陽産業だったミシン専業から、事業転換をはかり電子製品や工作機械分野へ、成功を納め好財務内容の会社となっている。
買収価格は、時代が新自由主義経済(ハゲタカ経済)に入り、一昔前より世界全体のM&A価格が数倍に跳ね上がっている。
ブラザー工業
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ドミノ社
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連結
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百万円
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千ポンド
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円換算
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14/3期
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15/3期予
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14/10期
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百万円
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売上高
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616,834
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710,000
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350,181
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63,687
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営業利益
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43,301
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55,000
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56,034
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10,190
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経常利益
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35,613
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51,500
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56,528
|
10,280
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当期利益
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19,220
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53,500
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44,615
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8,114
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総資産
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469,973
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302,010
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54,926
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自己資本
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291,165
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212,231
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38,598
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資本金
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19,209
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有利子負債
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14,366
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自己資本率
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62.0%
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ドミノ社の経常利益は税前利益、自己資本は純資産。1ポンドは181.87円換算。
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