アイコン 米GDP前期比0.2%増に急低下 29日NYダウの動向

米商務省が29日発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、季節調整後の年率換算で前期比0.2%増となり、市場予想の1.0%増を大きく下回る結果となった。昨年第4・四半期の2.2%増から急減速し、1年ぶりの低い水準になった。

厳冬で個人消費が弱含んだほか、原油安に伴ってエネルギー関連企業が投資を控えた。米西海岸で続いていた港湾労働争議やドル高も経済活動の足かせとなった。
エコノミストらは、2月の例年にない寒波がGDPを最大▲0.5ポイント引き下げたと試算。港湾労働争議による物流停滞がさらに▲0.3ポイント押し下げたとみている。

第1・四半期はGDPの3分の2以上を占める個人消費が1.0%増となった。昨年第4・四半期の4.4%増から大きく落ち込み、1年ぶりの低い伸び率となった。

原油安で家計の可処分所得は増えたが、冬の厳しい気候のせいで消費が進まなかった。消費の手控えを反映して、貯蓄は7278億ドルと前四半期の6034億ドルから30%増と大きく増加した。

厳冬の気候は住宅建設も抑制した。原油の値下がりで石油生産にブレーキがかかり、稼動リグが前期初めより半減するなど設備投資も落ち込んだ。

住宅以外のインフラ投資(石油探索・掘削を含む)は▲23.1%減と、2013年第1・四半期以来初のマイナスとなった。減少率は4年ぶりの大きさだった。鉱業や石油探索、立坑・油井への投資が▲48.7%減り、インフラ投資全体の水準を押し下げた。

全米産業審議会(コンファレンスボード)のマネージングディレクターは「企業収益の押し下げ圧力や石油関連投資の大幅減、ドル高が米経済の重しとなっている」と述べる。

ドルは、第1・四半期に米国の主要貿易相手国の通貨に対して4.5%値上がりし、港湾労働争議とともに輸出の重しとなった。

輸出の落ち込みはGDPを▲1.25ポイント引き下げた。ドル高は今後も経済を抑制する見込みで、エコノミストらは今年のGDPを▲0.6ポイント押し下げると計算している。
一方、在庫投資には予想外に大きな積み上がりがみられた。GDPに対する在庫の寄与度は0.74ポイントとなった。

マークイットは「年初めに米経済成長が鈍化したことで、連邦準備理事会(FRB)がすぐに利上げに踏み切る可能性はなくなった」と分析する。
軟調なGDPは、金融市場を混乱させる可能性があるが、天候や労使交渉は一時的な要因であり、第1・四半期の低迷は必ずしも実体経済を正確に反映しているわけではない。
米連邦公開市場委員会(FOMC)はこの日、2日間の会合を終える。声明では経済の成長鈍化を認識しながらも、一時的な傾向だとの見方を示すとみられる。
年初には、多くのエコノミストが米連邦準備理事会(FRB)による利上げを、今年の6月と予想していた。現在は大半が9月あたりとみている。
以上、

<29日のNYダウ動向>
29日のNYダウは、GDPの発表を受け、一時前日比▲157ドル下げたが、原油価格、ギリシャなど動向に加え、FOMCの声明を受け、値を戻し、▲74.61ドル下げ、18,000ドル台を維持した18,035.53ドルで終わった。
1、29日第1・四半期のGDPが発表され、前期より大幅に鈍化した。これを受けFOMCが29日、労働市場の弱含みと成長鈍化を指摘した。
これを受け市場は、利上げは12月になるとのアナリスト予想が大勢を占め、これまでの9月予想が後退、値上がり要因となった。

2、原油価格は、29日も値上りが続いており株価押し上げに貢献している。
29日のWTI原油先物価格は、稼動掘削リグ数の半減によるシェールオイルの生産量が初の減少により上昇基調にあり、経済成長率鈍化にもかかわらず、前日比で1.47ドル上昇して58.53ドルとなった。
(更に値上がれば、シェールガスの増産が再度始まる。また、イランの制裁が解ければ、需給が緩む。欧州と中国の経済低迷が底を打てば原油上昇へ進む)

3、ギリシャ問題は29日、ギリシャが債権団に対して改革案を提出し、暫定合意を目指す報道がなされ、株価が上昇要因となった。

対ドル円は、円安の119.12ドル、対ユーロ円は、円高の132.43円となった。

 

[ 2015年4月30日 ]
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