アイコン 韓国感染者15人に 同乗の香港女性に飛び火か MERS類似症状 改訂版

 

香港日刊紙サウスチャイナモーニングポストは30日、中国へ渡航した韓国の男性感染者と同じ飛行機に乗った香港女性3人にMERS感染類似症状が見られ、隔離して検査中だと報じた。

31日、中央日報などは感染者が15人になったと報じた。帰国感染者と同病棟の入院患者と同病棟の入院患者(女性、感染者)を見舞っていた夫の感染が確認された。また、30日には、29日感染が確認された入院患者(女性、自宅隔離中)を見舞っていた息子の感染が確認された。

韓国の報道機関は、三次感染者は発生していないと報道し続けている。現に入院患者が二次感染した患者を見舞ったり、介護していた家族が三次感染している。

5月20日
1
中東帰国者、MERS感染と発表
22
2
帰国者と同じ病棟の入院患者が二次感染と発表
26
1
二次感染者の娘(入院の親を介護)も感染と発表
27日
1
医療スタッフ感染
28
2
医療スタッフと同じ病棟の入院患者が感染と発表
29
4
医療スタッフと同じ病棟の入院患者3名が感染と発表
29
1
中国渡航者、中国当局感染を確認(感染の患者を見舞った人)
30
1
29日感染判明の患者(女性)を見舞った夫が感染
31
2
同病棟の入院患者と同病棟入院患者の見舞った息子が感染
合計
15
 
30
香港
中国渡航者と飛行機同乗の女性3人、MERS類似症状と報道
 
 
韓国MERSコロナウイルス感染
 5月4日MERS感染の68歳の中東帰国者は、5月11日発熱・発症、5月12日~15日にA病院を外来受診。5月15日~17日にB病院に入院。5月17日~20日にC病院に救急外来受診し入院(18日~20日)、20日感染確認、D病院に隔離入院
 
年齢性別
接触地
関係
接触期間
発症日
備考
2
63歳女性
B病院
1の妻
15~17日
5月19日
 
3
76歳男性
B病院
同室の患者
5月16日
5月20日
4時間
4
46歳女性
B病院
3の娘
5月16日
5月25日
4時間
5
50歳男性
C病院
診療医師
5月17日
5月25日
1時間未満
6
71歳男性
B病院
同病棟の患者
15~17日
5月24日
 
7
28歳女性
B病院
医療スタッフ
15~17日
5月26日
 
8
44歳男性
B病院
3の息子
5月16日
5月19日
中国渡航
7まで、韓国保健院資料、8は参考
 
 
<実際は体液やツバ類による感染力は強い>
2012年に初めて確認された中東呼吸器症候群MERSコロナウイルスは、WHOや(日本)国立感染症研究所が発表している感染力より、実際はかなり強いようだ。

WHOが公表しているMERSウイルス感染者累計数は1,142人、うち465人が死亡としている。このように症例も1,200に満たず、具体的な症例も少なく、医師の報告のみで感染力は弱いと
過信した可能性がある。ただ、MERSウイルスが変異して感染力を強めた可能性もある。
だが、治療方法も確立していなく、致死率も非常に高い割に、感染力は弱いような報告書を作成したWHOにも問題があったと見る。WHOの報告を鵜呑みにしている国立感染症研究所も同じ。

韓国では、MERSウイルスに対する日常からの医療機関への周知徹底もなく、WHOの報告書でも体液・エアロゾル=ツバで伝染するとしており、対応が杜撰だったとしか言いようがない。
(韓国企業は、中東で多くの仕事を受注しており、多くの労働者を送り出している。内戦のイラクでさえ千人を超えるとされ、中東全域では5千人以上が在留しているものと見られる。ならば、帰国者に対する感染症の防疫体制も完璧さが求められていたはずだが・・・。日本人の感覚では隣国はさしはかれない)

こうしたことから、韓国当局は当初、今回中国へ渡航して問題となった感染者のような見舞い客の把握及び対策など脳味噌の片隅にもなかったと思われる。

 
MERSコロナウイルス
(注)病院関係者には、医療関係者ほか入院患者・介護者・見舞い客など含まれる。
 
 
<これまでの経緯>
韓国当局は5月20日、中東帰りの68歳の男性が、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス感染者だったと発表した。男性は4月18日~5月3日にバーレーンに滞在、農業関係の業務に従事した後、カタール経由で5月4日に韓国・仁川に帰国していた。その後の11日発熱、12日病院で診察受ける、15日体調悪化で別の病院に入院、17日体調悪化で救急にて別の病院に入院、感染が確認されるまで3ヶ所の病院とうち2ヶ所の病院に入院していた。

22日、最初に入院していた同じ病棟の入院患者2人にも二次感染していたと発表した。31日までに、対応した医療関係者や入院患者、見舞いや介護の家族の計14人が二次・三次感染したと発表した。

<MERS感染者の中国への出張と中国の対応>
問題の中国渡航者は、26日仁川空港から香港へ、香港から広東省恵州市へバスで移動、27日、中国当局カクホ・恵州市の病院に隔離、中国当局29日感染を確認した。

当該渡航者は、中東帰国患者が5月20日にMERS感染を確認される前の16日、一般病棟に入院中の父親(感染確認済み)を4時間見舞った(男性、44歳、16日見舞った時に帰国感染者が同室にいたかどうかは不明)。19日に発熱したものの、当局による隔離対象者にはなっていなかった。
(「19日の発熱により、保健所職員や大学病院の応急医療スタッフに対し『感染の疑いの事実』を知らせたが、彼らはこれを関係当局に報告しなかった」との報道が29日の中央日報よりなされている。初感染者判明は20日、前後することから、22日以降に知らせたと見られる)

男性は発熱が続き、その後の22日と25日と26日に病院で診察受け、26日には医師から中国渡航禁止忠告を受けた。しかし、男性は、忠告を無視して、そのまま仕事で中国へ。医師が27日当局へ通知した。

27日韓国当局から連絡を受けた中国保健当局は29日、当該の人物を(27日)カクホ、検査した結果、感染していたことが確認されたと発表した。発熱の症状は出ているが重篤の状態ではないという。
27日、医師がMERS感染の可能性を疑わず、韓国当局へも連絡しなかった場合、中国での感染拡大の可能性が大であった。

<防疫体制の不備・国も病院も>
初期対応のまずさ: 2メートル以上離れた入院患者を隔離せず
韓国当局は、治療方法も確立していない危険ウイルスに対する防疫体制の不備が指摘されている。

(1)最大の問題
中東帰りのMERS感染者は、当初、風邪の症状からだんだん悪化していったが、その間、病院
をたらい廻しされた挙句、症状悪化でP病院の一般病棟に入院していたことがMERS感染の拡大を招いた。

(2)病院側の問題、
中東帰りの患者に対して、ヒアリングもせず、MERSコロナウイルス感染を一切疑わず、複数人の一般患者がいる病室・病棟に入院させ、医師も無防備で治療に当たっていた。

(3)当局の防疫体制の不備、
31日現在でも、感染者の濃厚接触者を中途半端な自宅隔離にし、感染症対策病院にはごく一部しか隔離していない。
そもそも、保健当局は、帰国感染患者の病室と2メートル以上離れた病室の患者を隔離対象者にしていないという大きなミスを犯している。

(初感染発表の20日以前に、帰国者は発症して入院していたにもかかわらず、病院内をウロチョロ、ほかの入院患者といくらでも病棟内で接触していたものと見られる。それを裏付けるように、外来診察棟で接触した人も感染している。帰国者から感染したしていた入院患者(父)を16日見舞った家族(中国渡航者・三次感染者)も感染している)

(4)医療機関への周知徹底問題
20日、MERS感染者が韓国で初めて発生したと韓国当局が発表したものの、その後に及んでも全国の病院・医療関係者に対して、報告や対策等が周知徹底されなかったこと。そのため、中国渡航者を事前に診察しながら、渡航させてしまった。

<MERSコロナウイルスの潜伏期間・症状等>
MERSコロナウイルスに感染して発症した場合、感染力が生じ、発症者の体液やエアロゾル=ツバなどにより再感染する。発症までの潜伏期間は2日~15日。重篤の肺炎、下痢、腎障害などを引き起こす。WHO報告では致死率40%前後。感染しても発症するまで感染の有無がわからないという。感染者=発症者)

<当局は、すでに隔離者で収拾がつかない状態>
感染していた中国渡航者は、飛行機及びバスの同乗者にも感染の危機を拡散された。そのうち、飛行機だけでも163人(韓国人85人、中国国籍59人、米、加、英、パナマなどの外国人78人)が要監視対象者となった。韓国当局は、飛行機同乗者の各国保険機関に連絡して、監視を依頼した。
当該の韓国人たちは、仁川空港検疫所施設に隔離。また、この渡航患者の妻、医療スタッフ、職場の同僚と空港職員の38人も自宅や施設に隔離した。

要監視・隔離対象者数は22日では64人だったが、この間の感染者数増で127人に急増している。だんだん当局では管理できなくなる事態に陥っている。
<感染の中国渡航者・渡航前に数百人と接触>

初期対応の重要性が伺い知れるが、中国渡航の感染者は、渡航前に韓国内で数百人と接触していたとされ、診察を受けた病院スタッフ、家族、会社関係者の一部を隔離した。しかし、当局は19日~26日までの接触者を捜し出すのに困り果てている状態だという。
以上、

韓国当局の防疫体制の不備から、中国までMERSウイルスの汚染国にしてしまった。韓国の某国会議員は当初から、保健当局が濃厚接触者に対して、当局が命令した自宅隔離につき、それで良いのかと感染拡大を危惧した発言をなしていた。その危惧の延長線上に、見舞い客への感染危惧と、感染が疑われた発熱者の中国渡航となった。

<日本伝染の危惧>
心配されるのは、日本への伝染、日韓双方で年間500万人以上が行き来している。空港の防疫体制は、鳥インフル同様、赤外線にて発熱者チェックしかできない。もしもの場合を想定して.医療機関への周知徹底が望まれるところだ。

訪日客は、昨年1,341万人、今年は1,500万人を超える勢い、消費不況の中、訪日客に依存した業界も多い。MERSが日本上陸すれば、多大な影響が出る可能性がある。そのためにも、もしもの場合の初期対応が問われるものとなる。

追、
<二次感染のピークは6月4日か>

当初20日に中東帰国者の感染が発表され、即隔離されたことから、20日+潜伏期間最大15日間として6月4日~5日までが二次感染の一つの山となる。その後は、二次感染者からの三次感染へ移行する。

<15分で診断可能なMERS診断キット開発>
高麗大薬学部のソン・デソプ教授の研究チームとバイオ企業のバイオノートがMERS感染の有無を15分で診断できるキットを世界で初めて共同開発したと5月29日報じられた。研究成果は米学術誌で発表。ただ、人の検体には当局の認可が必要とのこと。(異常事態、感染拡大を阻止するため即使用することが求められる)

追、中東サウジで2013年8月、韓国人がMERSウイルスに感染して死亡している。韓国政府は医療スタッフをサウジへ派遣したりもしていた。しかし、こうしたMERSウイルスの脅威に対して、韓国当局は何も学習していなかった。

韓国の人たちは、キムチを食べ、健康維持と免疫力を高めておく必要があろう。
[ 2015年6月 1日 ]
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