アイコン 朴大統領の訪米延期はMERSだけだったのか

10日、14日からの訪米延期を発表した朴大統領。
韓国MERSは、5月18日サムスン病院が中東帰国者を診察し、MERS感染の疑いを持ち、20日、当局が感染を確認した。
た だ、サムスン病院内では、感染した中東帰国者の情報がその後共有化されていなかったのか、27日に中東帰国者から感染したスーパー感染者が、サムスン病院 の救急治療室に感染者とは不明のまま運び込まれた時、18日の防疫体制が生かされず、救急治療室にいた医師や医療スタッフ・ほかの多くの患者・見舞い客へ 感染させてしまった。11日現在、サムスン病院だけで55人の感染患者を生じさせている。
国民の信頼が厚い病院だけに、多く患者や見舞い客がいた。当時いた救急治療室の患者の多くに感染していた。

27日の救急診療室に38歳の救急担当の医師は直接診察には当たっていなかったものの、その後もノーマークにされ、会合やシンポジウムに出席していた。この医師は6月2日に感染が確認された。しかし、発表は何故か4日だった。また、感染が広がる中、7日まで病院名が発表されず、病院連盟やソウル市長(もう一人の自治体長も)の発表の動きの圧力に、全24病院と一緒に発表された。

5月20日から6月6日まで、保健福祉局(省相当)により、全国の病院間・医師間で患者情報の共有化がはかれなかった。そのため、感染拡大を招いているものであるが、情報開示に対する不満も国民の間で沸騰、国民を恐怖・不安に陥らせた。
6月5日こうした中、自治体長や国民の不安や不満に対して当局は「情報を統一して国が管理する。それがベストだ」として、ソウル市長らの動きをけん制した。また、当局は「(MERSについての)造言飛語については厳しく取り締まる」と感染情報のない国民に対してさえ発表した。

こうしたことが、政府に対して国民の不満をさらに高めてしまった。世論調査も朴大統領支持率が34%と6ポイントも低下した。

こうした事態に、朴大統領は、
7日、2日間で軌道修正し、これまで押さえ込んでいた韓国を代表するサムスン病院の名を感染者発生病院として発表した(サムスン財閥のイ・ゴンヒ会長が入院している病院)。

ところがサムスン病院の感染者は急拡大(6日5人、7日10人、8日17人、9日3人、10日10人、…発表日であり判明しているのは前日、11日8人、累計55人)、全体でも感染者や隔離者は拡大し続けている。

18平昌冬季五輪でも重複して巨額寄付をお願いした韓国最大の財閥であるサムスンに気を使うばかりに、MERSコロナウイルスを全土に拡散させてしまった責任のすべては、感染者情報を隠蔽した朴政権にあることは明らかとなっている。

こうした事態に、朴大統領は10日、14日からの訪米歴訪を延期した。

<韓国各紙の論調>表題のみ
<朝鮮日報は、韓国最大の新聞社・民族系・セヌリ党に近いが党の反主流派色も持つ>
1、MERS初動に失敗し訪米延期した大統領の判断力(朝鮮日報・社説)
1、訪米延期:外交儀礼に反する決断、韓米関係への影響は? (朝鮮日報)

<中央日報は、元サムスン財閥系・現在も李一族が会長>
1、朴大統領、訪米を電撃延期…米国側「決定を尊重する」(中央日報)
1、残念な朴大統領訪米延期、MERS沈静化に最善尽くすべき(中央日報・社説)

<国営の民族派放送局>
1、朴大統領の訪米延期 与野党が決断を評価(KBS国営放送)

<ハンギョレは政権に対し批判的記事多い>
1、朴大統領無能・無責任症候群の原因菌(ハンギョレ・記者手帳)
1、朴大統領はなぜ訪米延期を選んだのか(ハンギョレ・ニュース分析)
以上、(聨合ニュースは朝鮮日報の腰巾着的存在であり割愛)

<米国に突き付けられているTHAADと南沙諸島>
訪米は「迷い道」状態で、大統領自ら延期を望んだのかもしれない。
米韓間では現在、中国に関し大きな2つの問題を抱えている。
一つは、THAADミサイルの韓国導入問題
 韓国は過去「戦争統帥権」が韓国駐留米軍にあるのはおかしいとして、大々的に返還を叫んできた。しかし、北朝鮮の核武装の現実の前に、韓国側から米国に返還延期を申し入れた。米国は財政再建から、戦争統帥権を韓国側に返還し、駐留米軍の削減を目論んでいたが、しぶしぶ同盟国として了承した。
 ところが、米軍が北朝鮮の核対策の一環として、昨年5月から韓国に配備しようとしているTHAADミサイルについては、中国の反対もあり、いまだ了承していない。

 アメリカとしては、当然、軍拡・領土拡大に動き続ける中国をけん制するミサイルでもあるのだが・・・。
先般も朴大統領が訪米を控えていることを見計らって、中国軍幹部がTHAADミサイルの韓国導入に強い懸念を表明していた。

 当然、今回の訪米では、何らかの回答をする必要があった。

二つ目は、中国が軍事用基地の埋め立て中の南沙諸島問題。
韓国でも南シナ海は、原油の輸入航路とした生命線であるが、韓国政権は南シナ海において、中国による一方的なサンゴ礁支配と埋め立てについて、一切口を閉ざし態度を明確にしていない。
朴大統領は、言葉での2枚舌外交ではなく、態度を明らかにしないことにおいて、中国と米国を手玉に取り、2枚舌外交を展開している。

こうした動きに米国側も苛立っており、今回の朴大統領の訪米は絶好の機会として、朴大統領は何らかの表明を迫られるものであった。

訪米延期の大義名分は、(自ら招いた)MERS感染拡大の撲滅主導であろうが、これまで同様何も主導などできもしないだろう。(国民・医師病院・自治体が連携していずれ撲滅されようが・・・)

朴大統領は、訪米しない利点も熟知した強かさを兼ね備えているようだ。

[ 2015年6月12日 ]
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