ソニー ステルスマーケティング

 

価格コム運営の「食べログ」に始まった「ステルスマーケティング」(通称:ステマ)騒動。
報道各社はこぞってステマ請負業者を悪者にしたてあげ、消費者も見る目を養えとのたまった。

食べログのやらせ問題 法規制難しいネット口コミ 見極めは利用者自身で(産経新聞)
 

業者が悪い?
NO、実行させた側にも罪はある。

法規制厳しい?
アメリカは「広告における推奨及び証言の利用に関する指導」という「ガイドライン」を2009年に改定し規制、イギリスもまた、2008年に不公正取引からの消費者保護に関する規正法が国内法として施行されている。
これはどれもがステルス抑止の為の消費者側に立った規制である。

サクラといえばソニー、ソニーといえばサクラ

ソニーがトランジスタラジオをアメリカで販売をはじめたときの逸話で必ずでるのが「サクラ行為」である。社員があたかも、消費者のように振る舞い・ソニー製のラジオを店へ買い求め・ラジオ片手に町をあるきまわったりしたという涙ぐましい古来のマーケティングで、何故か感動秘話となって伝えられている。

しかし、そのポジディブなステルスマーケティングは、アナログであったからこそであり、現代のソーシャルなデジタル社会では、ユーザーが詐欺行為に直面したというネガティブな印象だけが残る。

テキストなどで直接訴えかける「ネットでのサクラ行為」と不特定多数に対し売れている雰囲気を作り上げる「現実世界のサクラ行為」では受けたほうの意識がかなり違う。
その意識の違いをいまだ認識できず旧来のサクラマーケティングを続けているのではないだろうか。

サクラ(おとり)- wiki

GateKeeper.○○.Sony.CO.JPという足跡

古くはVHSとベータ時代から、ソニー製品において他社の信者同士が対立し、ときには論争になることはままある。
現在はゲーム機ではマイクロソフト・任天堂、ポータブルミュージックプレイヤーではアップルなど、ネットの片隅でつねに信者論争が行われている。
そのネットの対立の中心にソニーの足跡があちこちに散見され、幾度となく社内のIPをさらし特定されてきた。一部のマスコミは取り上げたが普通ならばセンセーショナルな事件である。
先の食べログの価格.comにおいて初期のIP表示であった時代に他社製品をネガキャンしていたのも「“GateKeeper.○○.Sony.CO.JP”」であった。(その後なぜかIP非表示となる)
これを皮切りに個人ブログや2chなどでもゲートキーパーが出現、「ソニーを信望し他社製品を誹謗中傷するもの」=「ゲートキーパー(ソニーのネット工作員)」という認識が広まったのである。

これが約7年前のことである。

ゲートキーパー問題 wiki
 

何故ソニーだけが予測にでるのか

そういったステマは、ソニーだけではなく、多かれ少なかれ他の企業もやっていることは想像に難くない。マクドナルドのサクラ行列は記憶に新しい。
しかし、検索予測にはソニーしか出てこない。

こちらをみていただきたい。

 

ステマ疑惑一覧

2000年 自社製PC VAIO不良ユーザーへの集団罵倒
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Bay/7494/gbold.html
2000年 電気製品環境汚染改善活動へのネット工作企業動員による妨害
http://www.kcn.ne.jp/~gauss/epr-institute/index.html
2001年 デビッド・マニング事件
デビッド・マニング (架空のライター)
2004年 一般市民成り済ましの上、価格.com上でソニー製品>BOSE製品であると証言
http://bbs.kakaku.com/
2004年 一般市民成り済ましの上、任天堂DSの不良問題をでっち上げ発覚
http://n-styles.com/
2005年 一般市民成り済ましの上、アメリカ各地でPSP流行を装う落書き、全米で非難
http://www.stack-style.org/
2005年 一般市民成り済ましの上、ウォークマン体験記ブログを捏造
http://www.ohmynews.co.jp/
2006年 2ちゃんねる街BBSでソニー社員の活動確認される
http://news.www.infoseek.co.jp/
2006年 一般市民成り済ましの上、熱狂的PSP信者を装ったビデオプロモーションと宣伝を展開
http://www.youtube.com/watch?v=tX_3GEvF8RQ
2006年 一般市民による半独立系ソニー製品情報サイトは完全なソニーのサイトと発覚
http://japanese.engadget.com/
2007年 2ch内で複数でNintendoDSの新作ソフトを中傷中、トラップに引っかかり逃走
http://d.hatena.ne.jp/syuminoonna1991/20071005
2008年 複数人数でメールサイトを不正使用、秘密裏に一般市民の嘱託協力者を募集、通報→アクセス禁止に
http://atmeltomo.com/
2008年 2ちゃんねるでXBOX360の新作ソフトへのユーザー世論を偽装中、トラップに引っかかり逃走
http://abnormal.sakura.ne.jp/entry/log_1723.php
2008年 ニュース速報板専用の画像アップローダー、アクセスログ1年分開示・ソニー社員の恒常アクセス発覚
http://s03.megalodon.jp/2008-1113-0130-19

 

ここまでくればマスコミも取り上げそうなくらい多い。
(何故か2008年を境にオモテに出てこなくなっているが、ソニー贔屓のまとめブログが急激に伸びたのと関係あるような気がする。)

先ほどもいったように現実社会でのステルス行為・サクラ行為はまず記録に残らない。
しかし、ネットを介した場合、足跡がくっきりと残る。
それがソニーはどこの企業よりも多かったのである。

ソニーは、ライバル社をFUD(英: Fear, Uncertainty and Doubt、直訳すると「恐怖、不安、疑念」)で貶めることも得意としている。
自社製品をポジティブに褒めるステマならばそこまで嫌悪感はないが、結果(信者も多いが)敵を作りすぎたゆえに、多くの消費者が疑念と恐怖と不安から「ソニー ステルス」というブーメランのような検索予測がFUDとともに返ってきたのだ。

ソニーの影?はちま騒動

 

それでもソニーはサクラ行為を続けるのか?

日本で法規制されるかマスコミが叩かない限り、続けるであろうことは疑いない。
蒟蒻畑だけを叩いた日本政府の消費者庁に期待はできない。
そこでようやく消費者が認識した上で企業の都合のいいように騙されないように情報を共有し強化する、メディアリテラシーが必要となるのだ。

ただ、企業は消費者を騙そうとしている訳ではない。
しかし、消費者はより良いものを手にしたい。
企業の思惑で、「本当は良い製品なのに手に取らない」、「期待はずれの製品を買ってしまった」、そんなことはあってはならないはずだ。
ただ企業は利益を得ようと、見掛け以上の商品だとアピールしたりライバル製品を貶したりするだけかもしれないが、個人になりすますのは詐欺であり消費者への裏切り行為だ。
それだけは間違いない。

今の日本の家電業界は、中国・韓国に追い抜かれたと散々報道されている。
そろそろ、小手先のごまかしは終了し、消費者と真摯に向き合い、日本全体のために技術力を上げることに専念したらどうだろうか。

 

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