グーグルは2011年に125億米ドルで買収したモトローラ・モビリティを、特許をほとんど取得したまま、ガワタンだけを中国のパソコンメーカー大手のレノボに29億1千万ドルで売却すると29日発表。

世界首位(17.1%)のパソコン事業から携帯電話・スマホへ積極展開しているレノボは、スマートフォンの販売台数でも既に世界4位(2013Q3)にある。
ただ、首位の韓国サムスンや2位のアップルとの差は大きく、規模拡大が必要となっていた。レノボは既にアメリカ南北大陸では一定のシェアを獲得しているものの、欧州市場はまだまだ手薄状態、今回の買収は欧州市場での販売強化のための買収となっている。

グーグルにあっても、メーカーとしてのモトローラ・モビリティに魅力は持たず、本業とIBMのように特許で商売を拡大させる動きに徹している。
レノボは1月23日、IBMのPCサーバー事業を23億ドルで買収したばかりだった。IBMから以前パソコン事業を買収した経緯があり、優先的に購入したようだ。

レノボは自己資金で買収するとしているが、支払い条件は)、米国 14 億 1000 万ドルは、 レノボ普通株式で7億5千万ドル分と現金6億6千万ドル。残り$15億ドルは3年の手形で支払われるという。

アメリカ政府は以前、レノボ含む中国勢のIT企業による情報取得ウイルス問題から、中国勢のアメリカ企業の買収に拒否権発動やケチを付けていたが、スノーデン暴露問題が浮上して、アメリカ政府は、中国どころではない世界中で情報取得していたことが判明、アメリカによるバックドアなどのウイルス問題は既に消沈、中国勢の買収に何もいえなくなってしまい、今回の2件の買収に至っている。(買収を米政府が許可しなければ、中国政府がスノーデン情報に基づき攻撃してくるのは必至)

中国勢が、ITハード領域で世界制覇するのは時間の問題だろう。ただ、グーグルも強かでモトローラ・モビリティの特許は持ったままであり、特許を侵害した場合、一番売れたころを見計らって特許侵害の巨額賠償請求訴訟を起こすことになろう。グーグルの場合、ソフトだけの会社であり、基本的にはアップルとサムスンの戦争のような相殺勘定は発生しない。


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