建築工事の(株)岩本組(東京都北区田端1-23-16、代表:鈴木豊彦)は5月29日、申請処理を松田純一弁護士 (電話03-3272-0101)ほかに一任して、東京地方裁判所へ民事再生法の適用申請し、保全命令を受けた。監督員には、澤田和也弁護士(電話 03-5510-7703)が選任されている。
負債額は約33億円。

同社は昭和19年3月設立の建築業者。一般建築、マンション工事、官庁工事を受注し、バブル当時は150億円を超える売上高を計上していた。
しかし、その後は漸落が続き、最近は、不況もあり30億円台に売上高が落ち込んでいた。
それでも平成23年・24年と40億円台を回復させていたが、営業停止処分を受ける事態が発生した。

国交省関東地方整備局は、2013年5月14日同社に対し、 神奈川県内で施工した複数の民間新築工事で、適正な施工体制台帳及び施工体系図を作成しなかったとして営業停止処分や指名停止措置を受け信用を低下させていた。
 さらに、平成25年12月期は完工高43億円まで回復させたものの、労務費や原料費高騰から大幅に施工コストが上昇、また、北区内の中学校新築工事などで人件費および資材高騰から見積もりの積算間違いが発生、▲6億円超の特損処理に至り、資金繰りを急激に悪化させていた。

㈱岩本組の財務内容と業績 平成24年12月期 /千円
要約貸借対照表と要約損益
流動資産
1,272,775
流動負債
1,987,143
 
 
固定負債
1,005,850
固定資産
2,575,020
自己資本
854,802
 
 
(資本金)
204,000
合計
3,847,795
合計
3,847,795
売上高
粗利益
経常利益
自己資本率
4,038,089
2,790,287
10,294
22.2%
 
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営業停止処分(株)岩本組 7日間/関東地整 適正な施工体制台帳なし複数など