sponsored

韓国銀行(中央銀行)が26日発表した2015年10~12月 期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%増と、再び1%を下回った。年間の成長率は前年比2.6%にとどまり、2012年(2.3%)以 来、3年ぶりの低水準となった。2014年は3.3%増だった。

政府が目標に掲げていた3.0%成長に届かなかった。中東呼吸器症候群(MERS)の流行による内需不振や輸出の減少などが響いた。
 
四半期別の前期比成長率は、2014年1~3月期の1.1%から旅客船沈没事故が発生した4~6月期に0.5%に低下、5四半期連続で0%台を記録した。

2015年7~9月期は、大規模セール「コリア・ブラックフライデー」などの消費刺激策が追い風となり1.3%に拡大したが、10~12月期には再び0%台に落ち込んだ。

sponsored

10~12月期を部門別にみると、民間消費は前期比1.5%増加し、前期(1.2%)を上回った。個別消費税の引き下げや消費刺激策が奏効したとみられる。

 一方、建設投資の増加率は前期の5.0%から▲6.1%のマイナスに転落し、4四半期ぶりの低水準となった。

第4・四半期の減速は、建設投資の落ち込みが主因。 建物中心の建設投資は経済波及効果が大きく、本格的に減速すれば、製造業や家計負債等にいろいろな問題を生じさせてくる。

韓国銀行は第4・四半期について、「増加率の大きかった前期の反動減もあるが、住宅取引の減少が影響したようだ」と話している。
(金利低下政策によりソウルなど主要都市では不動産ミニバブルが生じていた)
 輸出は、前期比2.1%増加、輸入も2.8%増えている。

<年間>製造業大幅鈍化
 年間でみると、民間消費が前年比2.1%増加し、4年ぶりに2%台に持ち直した。景気刺激策の公共投資増の政府消費も3.3%増加した。
 建設投資は4.0%増と、前年の増加率(1.0%)を大幅に上回った。
 輸出は0.4%増にとどまった。純輸出の成長寄与度は▲1.2%ポイントだった。
 経済活動別では、製造業の成長率が1.4%と、前年(4.0%)に比べ大幅に鈍化した。
 一方、実質国内総所得(GDI)の伸びは、前年(3.7%)から大きく拡大し6.4%だった。原油安などで交易条件が改善されたことが後押しした。
 金利低下でマンション購入やクレジットでの買い物など家計負債が急増しており、今後の消費が心配されている。
 韓銀によると、全体的な家計負債規模は2015年9月末現在1166兆ウォンで、前年同期比10.4%増え、処分可能所得に対する家計負債比率も143%と、今年3月末に比べ5ポイント上昇している。家賃の保証金制度チョンセも推定530兆ウォンに達しており、不動産価格下落局面では課題となると指摘されている。