sponsored

官民ファンドの産業革新機構は3月1日、人工衛星などと衝突事故を起こす宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去をめざすベンチャー「アストロスケール」(本社:東京+)に3千万ドル(約34億円)を出資すると発表した。革新機構の宇宙ベンチャーへの出資は初めてとなる。

「アストロスケール」は、強力な粘着材を持つ人工衛星を打ち上げて宇宙ゴミに接着させ、もろとも大気圏に落として燃やす計画を進めており、試作機を2018年に飛ばす予定。
革新機構は、宇宙ゴミの除去が有望なビジネスになると見込んでおり、日本企業がこの分野で世界をリードできるように支援する。

 宇宙ゴミは、活動を終えた人工衛星やロケットの破片のこと。宇宙空間に億単位で存在する。秒速7.5kmの速さで地球の周りをまわっており、直径1cmの宇宙ゴミでも、ぶつかればロケットの機体に穴を開けてしまうという。

sponsored

各国の国際機関などが宇宙ゴミの効果的な除去方法を研究しているが、解決方法は確立されていない。
 宇宙開発が進むにつれ、宇宙ゴミの除去がビジネスになると考えた元大蔵官僚の岡田光信氏が、2013年に同社を設立した。本社をシンガポールに置く一方、衛星の研究開発拠点を昨年、東京に開いた。
 
同社は、今回、別のファンドからも500万ドル(約5億6千万円)の出資を仰ぎ、革新機構分とあわせて計3500万ドル(約40億円)の資金調達に成功した。

岡田光信氏の紹介文
グローバル時代から、コスミック時代へ。高校時代にNASAのスペースキャンプに参加して以来、ずっと宇宙に思いを馳せてきた岡田光信は、まさに宇宙規模で考えて行動する人である。大蔵省(現財務省)から戦略コンサルティング、IT企業勤務、通信ソリューション企業の設立を経て、2013年には「宇宙ゴミ」問題を扱う世界初の企業「ASTROSCALE」を設立した。宇宙環境の悪化は、我々の生活にも影響を与える共通の重大事である。日本の高齢化社会にも目を向け、高齢者に適切なサポートを提供する企業「MIKAWAYA21」を設立。地上と宇宙の出来事を同レベルの問題と考え、解決に向けて取り組んでいる。

岡田光信氏のTED-TOKYOでのスピーチ
http://www.tedxtokyo.com/talk/nobu-okada/

伊藤美樹(代表取締役社長)
伊藤美樹(代表取締役社長)

会社概要
日本R&D 拠点
社名
株式会社アストロスケール
 
(英語名 Astroscale Japan Inc.)
設立
2015 年2 月
所在地
東京都墨田区錦糸1-17-2
事業内容
小型衛星の開発・製造、宇宙環境テスト
代表者
伊藤美樹(代表取締役社長)
岡田光信
(代表取締役)
シンガポール本社
社名
ASTROSCALE PTE. LTD.
設立
2013 年5 月
所在地
6 Battery Road, #38-04 Singapore, 049909
事業内容
宇宙ゴミの除去に関するサービス及びその他の宇宙事業
代表者
岡田光信 (CEO)